習近平体制は「自由と民主主義」の敵対勢力、台湾が着実に高める防衛力、体制強化と日々の威圧への対応(Wedge(ウェッジ))
台湾は防衛費を引き上げ対中防衛に取り組んでいるが、台湾海峡の安全に多大な利害を有する米国は台湾の防衛力を支援しなければならないと、2025年12月1日付ワシントン・ポストで、元米インド太平洋安全保障担当国防次官補のシュライバーとラトナーが論じている。 ワシントンでは台湾は防衛に真剣に取り組んでいない、防衛費は少なく動きは鈍く、他国に依存しすぎだと言われ、台湾の安全保障への米国の支援縮小を正当化する理由になっている。実際、我々もバイデン政権とトランプ第 1 次政権のインド太平洋安全保障担当国防次官補として台湾にもっと迅速に対応するよう求めたものだが、今やこの定説は時代遅れになりつつある。 台湾は何年も着実に防衛費を増やしてきたが、今やそれを飛躍的に増やしつつある。通常の防衛予算と特別防衛予算を合わせると、防衛費は国内総生産(GDP)の 5%を超えている。しかも頼清徳総統は、これは上限ではなく、最低線だと言い、防衛費の更なる拡大が期待できる。 人員・訓練・兵器を適切に組み合わせれば、台湾は中国の侵略を抑止し、阻止もできるようになる。新予算はドローン、ネットワーク化された防空体制、モバイルロケット砲等、非対称防衛に適した機動力と殺傷力の高い小規模兵器システムに重点を置き弱点を克服しようとしている。 台湾はウクライナから重要な教訓を学んでいる。台湾国防部は膨大な数のドローンが必要になること、また台湾は中国が支配する供給網への依存から脱却しなければならないことを認識し、政府は高性能で安価なドローンを迅速かつ大量に配備できるよう国内生産と研究能力に投資している。
同時に、台湾は人民解放軍による日常的な威圧にも対応しなければならない。中国の船舶や航空機は台湾周辺の海空域に頻繁に侵入し、中国軍が台湾周辺で勝手に行動することが常態化している。このため、台湾は侵略に対する防衛のための非対称戦略を支えるシステムに投資するだけでなく、日々の挑発に対応すべく通常の戦闘機や艦船やセンサーにも投資する必要がある。 同様に、台湾は国内の強靭化にも投資している。これは抑止のもう一つの重要な方法だ。 中国の台湾征服計画は、台湾の人々は圧力に簡単に屈するとの前提に立っているが、台湾は現実がその反対であることを証明しようとし、政府はサイバー安全保障、重要資源の備蓄、インフラ防衛に投資することを提案している。戦い続けることを覚悟した社会は、北京も簡単には屈服させられない。 トランプ政権が防衛費を増やすよう台湾に圧力をかけたのは間違ってないが、台湾は単独でこの課題に向き合うことはできないし、そうすべきでもない。中国の経済規模は台湾の20倍だ。 だから米国は引き続き台湾支援で中心的役割を果たすべきである。米国企業も台湾の企業と組んで生産能力を拡大すべく多くのことができるはずだ。 米国は台湾海峡周辺の平和と安定の維持に多大な利害を有している。ヘグセス国防長官が今年初めに言ったように、「我々の目標は戦争を防止し、そのコストを高くして、平和が唯一の選択肢になるようにすることで、我々はこれを強力な抑止の盾によって実現する」。今や台湾はこの盾を構築しつつある。米国はそれを支援しなければならない。 * * *