厭戦機運高まるウクライナ、徴兵官襲撃事件が相次ぐ 市長「怒りの矛先はロシアに」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(2026年7月1日撮影)。(c)Paul Faith/AFP

【AFP=時事】ウクライナ当局は9日、前日に西部リビウで民衆が徴兵事務所の車両を取り囲んで横転させた事件について捜査を開始した。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は直ちにこの事件を「非常に困った話だ」と非難した。

ウクライナでは、2022年のロシアによる全面侵攻が始まって以来、市民と徴兵官の衝突が着実に増加しており、今年だけでも100件以上が報告されている。

当局によると、今回の事件は、徴兵逃れの疑いがある男を徴兵官らが拘束し、徴兵事務所に連行した後に発生した。

検察は、「リビウで発生し、ウクライナ兵、警察官、民間人200人が関与して発生した事件の状況について、捜査を開始した」と発表した。

法執行機関は即座に容疑者を特定。ウクライナ保安庁は「保安庁と国家警察は24時間以内に、7月8日に警察官を暴行した疑いのある男をリビウで発見・拘束した」と明らかにした。

SNS上に投稿された動画には、8日午後にリビウで民衆が車両を取り囲んで襲撃し、「恥を知れ」とシュプレヒコールを上げながらスマートフォンで動画を撮影する場面が映っていた。

検察によると、民衆をなだめるために駆けつけた警察官1人が、暴行を受けたという。

事件を受け、リビウのアンドリー・サドビー市長は市民に対し、怒りの矛先をウクライナ軍ではなくロシアに向けるよう呼び掛けた。

25歳以上の男性を対象とした兵役義務は、ウクライナで極めてセンシティブな問題となっており、誰をどのように招集すべきかをめぐって世論は大きく分かれている。

戦争初期には徴兵官に対する暴力行為はほとんど見られなかったが、戦闘が長期化し国民の間に厭戦機運が高まるにつれ急増している。

インタファクス・ウクライナ通信によると、徴兵官襲撃事件の認知件数は2022年にはわずか5件だったが、昨年は計341件に上った。

今年はすでに100件を超えている。

ウクライナ国防相は先月、現行の無期限の兵役に対する世論の批判を受け、徴集兵向けにより柔軟な契約制度を導入することを発表していた。 【翻訳編集】AFPBB News

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