中国IT業界で有名な「996」勤務にも劣らず…米ビッグテックは週7日、90時間働いた(中央日報日本語版)
人工知能(AI)が業務負担を軽減する分、会社員の勤務時間も短くなったのだろうか。米シリコンバレーのビッグテック業界では、それは別の国の話だったようだ。中国の情報技術(IT)業界で有名な「996(午前9時~午後9時、週6日勤務)」にも劣らなかった。 13日(現地時間)、英BBCが米国のビッグテックの元・現職従業員にインタビューしてまとめた「テック企業のリーダーはAIで仕事の負担が減ると言うが、従業員は週90時間まで働いている(Tech leaders say AI means less work - their staff say they work up to 90 hours a week)」という記事によると、AIが労働者の業務量と労働時間を増やす「生産性の逆説」が現れている。 特に、いわゆる「全力疾走(sprint・スプリント)」期間に勤務時間が急増したことが分かった。スプリントとはビッグテックでよく使われる用語で、新製品・新機能の発売やモデルのアップデートなどを控えた数週間、従業員が長時間働く時期をいう。「クランチモード(crunch mode、長期集中勤務)」とも呼ばれる。 オープンAI(OpenAI)とアンソロピック(Anthropic)ではスプリントが数週間続き、週7日、最大90時間ずつ勤務することもある。オープンAIの元従業員はBBCに「週70時間以上勤務した」とし、「週末勤務はもちろん、『危機会議』がたびたび開かれた」と打ち明けた。続けて「周囲の同僚が突然解雇される競争的な成果評価文化に苦しめられた」と付け加えた。グーグル(Google)の元従業員は「AI開発者ではないのに、AI機能が作動しなければ徹夜勤務することが増え、退社した」と打ち明けた。 残業や週末出勤、常時待機(on call)が多いメタ(Meta)では、従業員の意思とは関係なく、随時AI関連の緊急業務に強制配置する「社内引き抜き(drafted)」文化が目立った。メタの元従業員は「引き抜きを拒否すれば会社を辞めなければならない」と話した。メタは5月だけで世界で従業員約8000人、全人員の10%を解雇した。ビジネス・インサイダーによると、メタの従業員は誰が次の解雇対象になるか分からない。チームが突然変わったり、プロジェクトが終了したりすることも多い。メタのある従業員は同メディアに「役員を除けば誰も幸せではない」と伝えた。 AIが労働を減らすという話だったが、実際にはAIの最前線を走るビッグテックの従業員こそが過重労働に陥っている状況だ。カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)が米テック業界の従業員数百人を対象に、8カ月間にわたりAIを使用することで業務がどう変わったかを追跡した結果、従業員は▷より速いペースで働き ▷より多くの業務を担当し ▷勤務時間も増えた--ことが分かった。マサチューセッツ工科大学(MIT)所属の研究者ニール・トンプソン氏は「AIで業務時間を節約しても、業務を変え、実際に実装してきちんと作動するか確認することに再び引き込まれる状況だ」と指摘した。 しかし、米ビッグテックの従業員が過酷な環境で働いた結果が、莫大な成果報酬として返ってくる点も考慮する必要がある。エヌビディア(NVIDIA)、インテル(Intel)、Micron(マイクロン)などの半導体企業はもちろん、アマゾン(Amazon)・アルファベット(Alphabet、グーグル)、メタなどは従業員の報酬に譲渡制限付き株式(RSU)を積極的に活用している。RSUは成果達成や在職期間などの条件を設け、無償で株式を付与する制度だ。株価が上昇するほど報酬の規模も大きくなる。成果報酬は毎年、経営実績と投資計画に応じて柔軟に調整する。週52時間勤務制の下、最近「営業利益のN%」の成果報酬支給を巡り議論となったサムスン電子・SKハイニックスとは対照的だ。