メスだけでも増えるザリガニ「ミステリークレイフィッシュ」の怖さ 鳥羽水族館が注意喚起
沖縄県那覇市で、外来種のザリガニ「ミステリークレイフィッシュ」の国内初定着が確認され、話題になった。
マーブル模様が特徴の「ミステリークレイフィッシュ」(写真提供:鳥羽水族館)
ミステリークレイフィッシュとはアメリカ南部原産のザリガニで、オスは存在せずメス一個体だけでクローンのように繁殖するため、在来種の生態系を脅かす危険性が懸念されている。人為的に持ち込まれたものだと考えられており、発見された那覇市内の公園は立ち入り禁止に。市は駆除に着手したが、ザリガニ流出の危険性があるため池の水を抜くこともできず、駆除策が検討されているそうだ。
国内初定着のニュースに対し、飼育種類数日本一を誇る鳥羽水族館(三重県鳥羽市)公式Xは「捕まるよ、マジで」と反応しており、繁殖力の高い外来種を野外に放つことに対し注意喚起している。実際にミステリークレイフィッシュを飼育する、鳥羽水族館の飼育研究部、今川明日翔さんに話を聞いた。
鳥羽水族館で飼育している個体は青みが強いそう(写真提供:鳥羽水族館)
――ミステリークレイフィッシュの特徴は?
今川:見た目はマーブル模様が特徴です。メスのみでも産卵し、卵が発生孵化します。正確な数字は分かりませんが、幼生のザリガニであっても産卵することがありますので、繁殖力は高いと思います。鳥羽水族館でも飼育していますが、現在は展示しておりません。水替えをしたり環境を変えると抱卵しやすい印象です。
――沖縄に定着したニュースがありましたが、どんな影響が?
今川:外来種全体に言えることですが、本来いなかった生きものが何らかの原因で侵入してきているので、帰化した環境に影響を及ぼすことは容易に考えられます。生態系が崩れ、日本の自然環境が変化してしまう原因にもなりかねません。本州でも、誰かが持ち込めば、広がる可能性はあります。一人一人が、正しく外来種の現状や影響を理解し、ルールを守って生きものと接することが大切です。
◇ ◇
SNSでは「繁殖されるとヤバイ」「無限に増えるのは怖すぎる」「メスだけで繁殖する生き物なんているのかよ」などの反響が寄せられた。
なお、ミステリークレイフィッシュは外来生物法により、許可なく飼育することや生きたままの運搬は法律で禁止。違反すると個人では最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金が科される。
鳥羽水族館関連情報