二宮和也「自分たちが目指していた方向は、間違いじゃなかったんだな、と」 映画にかける思い
初めて参加したカンヌ国際映画祭で、観客に熱狂的に受け入れられた二宮和也さん。「結構シビアな見本市ではあるので、いい思い出で終われてよかったです」と笑った。AERA 2025年8月25日号より。
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「いくつになった?」「42歳」「マジか、状態がいいね」「状態がいいってなに(笑)」
本誌表紙フォトグラファー、蜷川実花と軽妙に掛け合いながら、フォトセッションが進む。前回、表紙に登場してから3年。驚くほど若々しさは変わらない。だが、取り巻く環境は大きく変わった。
2023年10月、個人事務所「オフィスにの」を立ち上げ、独立。仕事の取捨選択、SNSの発信などもすべて自分が責任主体となり、俳優として関わる作品への向き合い方も深度が増している。
映画「8番出口」では、数々の映画を製作し、長編初監督作「百花」で第70回サン・セバスティアン国際映画祭の最優秀監督賞を受賞した川村元気監督とタッグを組み、脚本づくりから参加した。
「この少ない人数感で、最初の本作りから進めていったのは初めてかもしれないですね。すごく楽しかった。どんな物語をつけるんだろうと興味を持ってもらう作り方を考えながら、とにかく自分たちが楽しいものを作って、結果的にそれが新しく見えたらいいね、と。ま、カンヌまで行くのは想定外でしたけど(笑)」
カンヌ国際映画祭の「ミッドナイト・スクリーニング部門」に正式招待され、世界初上映後には、2300人の観客から8分間にもわたる熱のこもったスタンディングオベーションが送られた。
「感動しました。感極まってたと思う。自分たちが目指していた方向は、まあまあ間違いじゃなかったんだな、と思わせていただける感じがして安心したし、なにより『直せるところはないか』という目線で見てもちゃんと作品に感動できた。スタッフみんなで話したのは、日本でも、この空気感で上映できたらいいねと。ぜひ今年の夏を『8番出口』と一緒に過ごして盛り上がっていただければ」
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2025年8月25日号
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