『あんぱん』で今後登場するやなせたかしが関わった「著名人」が豪華すぎ キャスト未発表の大物2名も
『あんぱん』では、やなせたかしさんと交流があったさまざまな著名人の登場にも期待が集まっています。
2025年前期の連続TV小説『あんぱん』86話では、先週の85話でついに「若松のぶ(演:今田美桜)」に長年の想いを告げて両想いとなった「柳井嵩(演:北村匠海)」が、「高知新報」を辞めて上京してきました。ここからいよいよモデルのやなせたかしさん同様、マンガや絵本だけでなく、作詞家、編集者、舞台美術家、構成作家、コピーライターとマルチに活躍する嵩が見られそうです。
1947年に上京してから『アンパンマン』を生み出すまでの20年以上の月日の間、どんな仕事も断らなかったというやなせさんは、「困ったときのやなせさん」と言われながら、多くの才能たちと出会ってきました。『あんぱん』では、やなせさんが仕事でかかわった著名人たちがモデルのキャラクターのキャストも、すでに発表されています。
やなせさんに劇場アニメ『千夜一夜物語』(1969年)のキャラクターデザインを頼む、「マンガの神様」手塚治虫さんがモデルの「手嶌治虫」は眞栄田郷敦さん、ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』での仕事をきっかけにやなせさんと意気投合し、ともに名曲「手のひらを太陽に」を作り上げ、ミュージカル版の『怪傑アンパンマン』も手掛けた作曲家のいずみたくさんがモデルの「いせたくや」は、大森元貴さん(Mrs. GREEN APPLE)が演じる予定です。
また、やなせさんに『見上げてごらん夜の星を』の舞台美術の仕事を紹介し、作詞家としても影響を与えた永六輔さんがモデルの「六原永輔(演:藤堂日向)」や、やなせさんに初リサイタルの構成を頼み、「手のひらを太陽に」を最初に歌った歌手でもある宮城まり子さんがモデルの「白鳥玉恵(演:久保史緒里)」の登場も発表されています。
そのほか、やなせさんは映画監督の羽仁進さんや、漫画家の小島功さん、後に都知事となるタレントの青島幸男さん、女優の久里千春さん、声優の増山江威子さんらとも、仕事を通じて付き合いがありました。なかでも、やなせさんと関わりがあった大物著名人として、登場すれば注目を浴びそうなのが、作家の向田邦子さんと落語家の立川談志さんです。
ドラマの脚本家として、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『阿修羅のごとく』などの数々の名作を生み出した向田さんは、まだ雄鶏社の編集者だった1950年代後半に、雑誌「映画ストーリー」に連載を持っていたやなせさんと出会っています。やなせさんが書く原稿を面白いと思っていたという向田さんは、ともに展覧会を見に行ったり、仕事を依頼し合ったりする仲になりました。
将来的に大脚本家になるとは思わなかったやなせさんは、自著『人生なんて夢だけど』で、向田さんに頼んだ脚本に手を入れたことを「冷汗もの」と振り返っています。また、やなせさんは向田さんの代表作のエッセイ『父の詫び状』の挿絵も描きました。
一方の立川談志さんとは、やなせさんはTV番組で共演しています。1964年から1966年度までNHKで放送された番組『まんが学校』は、番組開始当時まだ20代だった談志さんが司会、やなせさんがマンガの先生というポジションで、毎回スタジオに子供たちを呼んでマンガの描き方を練習したり、クイズを解いたりする番組でした。
やなせさんは談志さんのことを「生意気も芸になっている」「大変な勉強家で努力していた」と絶賛しており、彼からの影響も語っています。また、当時のNHKの影響力が絶大だったゆえに、やなせさんは特に地方で漫画家として売れる前に顔が売れてしまったことに戸惑ったそうです。
前述した有名人たちはみんな、やなせさんよりも年下で、モデルのキャストにも20代の俳優が起用されています。『あんぱん』に向田さんや談志さんがモデルのキャラが登場する場合、いったい誰が演じるのか、今後要注目です。
参考書籍:『人生なんて夢だけど』(著:やなせたかし/フレーベル館)、NHKドラマ・ガイドブック『連続テレビ小説 あんぱん Part2』(NHK出版)
(マグミクス編集部)