わずか3gのスマートリングに頼ってみた。起床もカフェイン摂取量もコントロール

Photo : 中川真知子

フィットネストラッカーやスマートウォッチを使っている中で、スマートリングにも興味が出てきました。

指につけるだけだから好きな時計を楽しめるし、ファッション感覚で健康や睡眠をトラッキングできる気軽さも魅力。あと、常にコンディションを数値で可視化されないことに価値を見出せるのかどうかも気になっていました。

でも、スマートリングっていいお値段するじゃないですか。というか、スクリーンもついていないのにフィットネストラッカーと同等価格、もしくはそれ以上に高いこともあるので、買えずにいたんですよね…。そしたら、インドのUltrahumanという会社からスマートリング「Ring AIR」を提供してもらえることになったんです。

快適な着け心地

Ultrahumanの「Ring AIR」は、睡眠や運動、体の回復をトラッキングするスマートリングです。

本体は約3gびっくりするほど軽いです。しかも薄い。ちょっとボリュームのある指輪レベルです。表面はチタニウムを採用。深度100mまでの防水性を備えているので、家事はもちろん、水泳やダイビングのお供もできちゃいます。

外すときに失くしてしまわないように置き場所を作っておくと良し。

サイズと装着する指選びは重要です。

無料のサイジングキットをオーダーし、2日ほど装着して過ごしてみるといいでしょう。

推奨されているのは利き手じゃない方の人差し指。私は利き手にもつけてみましたが、包丁を握ったときにぶつかって不便に感じたので、最終的に左手の人差し指につけることにしました。

サイジングキットにはカラーサンプルも同梱されます。

私は最初ゴールドを希望していましたが、手持ちのアクセサリーや肌とのバランスを吟味した結果、チタニウムにしました。

フル充電したら約6日間連続使用可能です。ただ、頻繁にエクササイズしていればバッテリー持続時間は変化します。

私の場合、3日くらいで充電する必要があります。「6日は充電しなくていい〜」なんて思っていたら、いつの間にか充電切れになっていて、4日くらい記録できていないことがありました。

充電残量はUltrahumanのアプリから通知されるのですが、私はスルーしてしまっていたみたい。せっかく指に嵌めていても充電切れで記録が取れていなければ意味がないので、通知には目を通した方がいいですね。

回復に特化したトラッキングは面白い

FitbitもGarminも、回復に特化したトラッキング機能を備えているので、どれくらい体を休めた方がいいとか、睡眠への影響を考えて控えた方がいいものへ言及するのは決して珍しいわけではありません。しかし、「カフェイン摂取量」へのアプローチは新鮮だったかも。

Screenshot : 中川真知子 via Ultrahuman appこの画像では、カプチーノやダイエットコークなどは飲んでもいいけれど、エナジードリンクはダメだと言われている

Ultrahumanのアプリには、どの飲料にどれくらいのカフェインが含まれているのか、どの時間帯に飲めば睡眠に影響を与えずに済むのかが表示されます。「カフェイン制限ウィンドウ」には様々な飲料のカフェイン量と、そのカフェインが体内で減少するのに必要な時間が記されています。

時間の経過とともにアプリの上部分に表示されている時間軸が変化し、それに伴って飲んでも睡眠に支障を与えない量のカフェインしか含んでいない飲料の名前だけが表示されるようになります。

「Ring AIR」をつけて寝ることで平均的な就寝時間が算出されるため、その就寝時間から逆算してこのようなアドバイスができるんですね。

摂取していい時間帯と、控えた方がいい時間帯になるとアプリから通知が来ます。

「Ring AIR」を使い始めたばかりの頃は通知に従ってきっちりやっていましたが、今はランチ後のコーヒーを最後にカフェインは控えるようになりましたよ。いい習慣がついたんじゃないかな。

私史上最も気持ちよく起きれるスマートアラーム

睡眠トラッキング機能付きのスマートウォッチやトラッカーによくみられる睡眠サイクルを利用した目覚ましアラームも、もちろんついています。

Screenshot : 中川真知子 via Ultrahuman app

個人的には、ウォッチタイプのアラームよりも起きられると感じています。

ウォッチタイプの場合、ウォッチそのものが振動することで起こそうとしますが、「Ring AIR」はスマホのアプリが音を鳴らしてユーザーの起床を促します。「そんなのスマホの標準アラーム機能と同じじゃん」と思われそうですが違います。

眠りが浅くなったタイミングで段階的にアラーム音と音量を変化させて覚醒を誘うんです。うまく説明できませんが、睡眠状態から意識を引っ張り出すような感覚というか、徐々に眠りが浅くなっていって起こされるというか。

前夜に飲酒したかとか、夜食をとって睡眠の質が下がったとか、コンディションによって感じ方も違うので、必ずしも「Ring AIR」を使えばいつでも目覚めスッキリとはいえませんが、ウォッチの振動やスマホの標準アラームよりも気持ちよく起きられると感じています。

フィットネストラッカーとしてはまぁまぁ

色々と褒めたい「Ring AIR」ですが、エクササイズのトラッキングはちょっと弱いかも。

基本的にアプリの「ワークアウト」からフィットネスを選択するか、心拍数の上昇を検知してエクササイズとしてトラッキングされたものに対して、あとからアプリでエクササイズの種類を選択するのですが、私の運動量ではワークアウトだと認識されないときが多々ありました。

Screenshot : 中川真知子 via Ultrahuman appジムでエクササイズした日も、カウントされていなかったことがありました

いちいちアプリを立ち上げるのは面倒なので、フィットネストラッキングに関していえば、私の場合はウォッチタイプの方が楽だと思いました。

ちなみに、Ultrahumanのアプリで選択できるワークアウトの多様なセレクションには驚きました。なにせ「家事」「赤ちゃんの抱っこ」「庭仕事」が入っています。

Screenshot : 中川真知子 via Ultrahuman appワークアウトの種類。これでもまだ一部です。

息子を四六時中抱っこしていた頃の私の腹筋は確実に割れていたので、赤ちゃん抱っこをエクササイズにカウントするあたり、「わかっている感」があってニヤリとしちゃいました。

また、庭仕事も同じ。日光にあたりながら草むしりや砂利の手入れ、植木鉢の移動などをこなすと2km走るより疲れます。

ただ、そういう動作をする際にいちいちスマホを取り出して「さて、今から赤ちゃんを抱っこするぞ」なんてやらないですよね。なので「そうそう、こういうのも実は体を鍛えてくれるんだよね」と共感はできるものの「実際にトラッキングするのは難しいのでは 」と疑問が残りました。

さすがインド。ブレスワークがディープすぎる

インドといえばヨガでしょう。ヨガといえばブレスワークです。

実は私、かつてマレーシアでクンダリーニヨガなるものを習っていました。ポーズよりも呼吸法を重視するヨガだと認識していますが、そこで目的に応じた様々なブレスワークを教わったんです。

で、「Ring AIR」のブレスワークを開いてみたらコレですよ。

Screenshot : 中川真知子 via Ultrahuman app

バリエーションが豊富すぎる! こんなの他社ではみたことがない。

クンダリーニヨガは専門のインストラクターに習わないといけないので、そこで教わったブレスワークは含まれていませんが、それでも他のフィットネストラッカーでは得られないほど充実したセレクション。

さすが、ヨガの国からやってきたスマートリングです。

棚ぼたで得られたメリット

あと、これは余談なんですが、「Ring AIR」をつけるようになってデジタルデトックスが捗りました

これまで通知を見逃したくないからとスマートウォッチやフィットネストラッカーをつけていたので、通知が来るたびにスマホを見ていたんです。でも、「Ring AIR」の本体にはスクリーンがないため通知を表示できません。だから必然的にスマホと心理的距離ができたような気がします。意識がガジェットに向かなくなったというか。

なので、少しでもガジェットと距離を置きたいけれど健康管理もしてみたい、という人にちょうどいいんじゃないかと思います。手持ちの時計も活用できるし、スマートリングは想像していた以上に快適です。

税込59,800円と決して安価ではありませんが、サブスク費用はかからないのでお得感があるかもしれませんよ。

Photo : 中川真知子

関連記事: