怒りの出馬か? 山尾志桜里氏は玉木雄一郎氏から「愛知県出禁」を言い渡されていた 5月上旬に「違反したら公認取り消し」の覚書を締結

 7月1日午前、急遽発表された「山尾氏出馬」の情報に永田町は騒然となった。 「公認取り消し後も政界へカムバックを目指すと公言してはいましたが、まさかこの参院選に出馬するとは予想していなかった」(政治部記者)  いくら知名度があるとはいえ、大混戦と言われる東京選挙区において無所属で戦うのは厳しいという見方が大勢である。準備不足もあるし、“不倫”を認めずに逃げ続けた姿勢を批判する声は依然として大きい。ただ記者は「勝機はゼロとはいえない」と続ける。 「山尾氏を政策通として評価する有権者は決して少なくありません。玉木氏の非情な裏切りに対する“同情票”が集まれば、善戦する可能性はあります」(同)  急遽午後4時から開かれた山尾氏の仕切り直しの出馬会見に行くと、前回とは打って変わって和やかな雰囲気だった。 「プライベートな質問は前回質問が尽きるまで回答を重ねたので受け付けない」と事前に告知され、不倫に関する質問が出なかったことが直接的な要因ではある。

 一方で、山尾氏の腰の低さも記者たちの追及ムードを抑えていたようにも見えた。 「狭い場所で大変申し訳ありません」 「わざわざお越しいただきありがとうございます」  終始、山尾氏は丁寧な言葉で記者たちに接していた。 「頼り頼られという人間関係の大切さを最近少し覚えられたと思います。議員時代はそういうところがあまり出来ていなかった」  こんな言葉で謙虚にこれまでの自分を振り返った姿も印象的だった。  記者たちが知りたかったのは、無所属になってまで出馬するモチベーションである。山尾氏は「左右両極の分断が進む今、中道政治をあきらめたくないからです」と訴えた。 「国民民主にリベンジしたい気持ちはあるのか」というストレートな質問も飛び出たが、「全くありません」「私自身は(他党の候補者を)非難して勝ち上がっていくような選挙戦にするつもりはございません」と否定した。  だが国民民主党関係者は「本心はわからない」と訝る。 「今はだいぶ収まったようですが、公認を取り消された当初、山尾さんは玉木さんに怒り心頭で訴訟も辞さない構えだった。確かに党内の事情通からこれまでの経緯を聞くと、山尾さんが玉木さんに感情的になるのも無理はない。玉木さんはかなりひどいことを山尾さんに繰り返してきた」

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