【ガチ中華】君は未知なる麺「ミーフン」を知っているか? ミーフンとビーフンの違いは…

特に都心では「ガチ中華」が当たり前になって久しい。「麻辣湯(まーらーたん)」のお店にはしょっちゅう行列が出来ているし、コンビニやファミレスでもガチ中華を意識したメニューが多く見受けられる。

一方で「ガチ中華」に慣れつつある現在でも、我々はまだごく一部の中華料理しか知らないのかもしれない。特にガチ中華がお好きな方にお伺いしたい、あなたは『ミーフン』をご存じだろうか?

・中国の麺

個人的な体感で恐縮だが、ここ10年で「中華麺」及びに「中国の麺類」に詳しくなった人も多いのではないだろうか? 私自身、10年前はせいぜい「刀削麺」くらいしか存じあげなかった。

ところがどっこい、漢字が異常に難しい「ビャンビャン麺」や一時ブームとなった「蘭州ラーメン」など、中国には未知なる麺がまだまだ多いらしい。さすが14億人を擁する食大国である。

・ミーフン?

その中国に『ミーフン』なる麺があるらしいと知ったのは、つい先日のこと。御徒町を歩いていると「湖南出身の料理人が作るミーフン専門店」との看板を目にしたのだった。

中国の南部に位置する湖南省。代表的な都市には長沙市がある。看板には「ミーフンの作り方は湖南無形文化遺産に登録されている」とも記されていたので、おそらく歴史のある麺なのだろう。

日本では知らない人が多いであろう、ミーフン。これは気になる……というわけで、アメ横の御徒町寄りにあるミーフン専門店「歳歳紅(さいさいこう)」でミーフンを食べてみることにした。

・店員さんに聞いてみた

で、注文の前に『ミーフン』の正体を店員さんに質問してみることに。もちろん店員さんは中国の方であった。

「ミーフンは米の麺で、漢字では “米粉” と書きます。湖南省では非常にポピュラーな麺で、汁アリ・汁なし・炒め……などなど、色々な食べ方があるんです」

なるほど、どうやらミーフンは米の麺らしい。ただ……あれ? 確か日本でもなじみが深い「ビーフン」も米の麺で、漢字で書くと「米粉」じゃなかったっけ……?

「はい、同じものです。ミーフンとビーフンの違いは地域によっての発音の違いですね。ミーフンには平麺・細麺・極細麺などの形がありますが、日本では極細麺がビーフンとして広まったんですよ」

ふむふむ。ミーフンもビーフンも同じ麺で、違いは地域によっての発音とのこと。さらに米の麺は様々な形状があるようだ。なるほどねぇ~。

・初ミーフン

ミーフンの正体がわかったところで、今回は「豚足煮込みミーフン定食(980円)」をオーダー。歳歳紅では麺のタイプが「平麺」と「細麺」で選択できるようになっており、ランチ時は1杯まで無料で麺がお代わりできる。なのでまずは「平麺」を注文した。

で、やってきた「豚足煮込みミーフン」は、きしめんにも似た平たい麺。さらに言うならタイの米麺「センヤイ」に近い形状だ。なるほど、これがミーフンか。

さっそく食べてみると、ミーフンはビロビロ & ツルツルとした食感で良い意味で素っ気ない味わい。スープも意外とあっさり系で、濃厚なのは具の豚足だけである。

ガチ中華はガツンとパンチ系のイメージが強いが、歳歳紅のミーフンは私の中華料理史上最もあっさりとしていた。なるほど、これもこれで1つのガチ中華なのだろう。

一通り麺を食べ終えたら、お次に「細麺」をオーダー。細麺は平麺と違った “ムチムチ食感” が特徴的で、同じミーフンでも印象はかなり変わる。これが汁なしや炒めなら、さらに違った印象になるハズだ。

・これもガチ中華

結果的に歳歳紅で食べた『ミーフン』は「意外にもあっさり系。想像していたのとはまた違ったガチ中華」といった感じ。ミーフンそのものに関しては、日本人でもかなり食べやすい部類に入るのではないだろうか?

特に都心では「ガチ中華」があたり前になって久しい。ただ「ガチ中華」に慣れつつある現在でも、我々はまだごく一部の中華料理しか知らないのかもしれない──。

・今回訪問した店舗の情報

店名 歳歳紅 住所 東京都台東区上野6-3-13 タイガービル6 時間 11:00〜23:00 定休日 不定休

執筆:P.K.サンジュン Photo:RocketNews24.

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