ビットコインは年末までに13万5000ドルに達する──強気シナリオでは19万9000ドルに:シティが予測(CoinDesk JAPAN)
ウォール街の銀行であるシティ(Citi)は、暗号資産(仮想通貨)市場の進化する動向を反映するため、暗号資産の評価モデルを改良し、年末のビットコイン(BTC)価格を基本となるシナリオで13万5000ドルとする新たな予測を発表した。 同行の最も楽観的なシナリオによると、最大の暗号資産であるビットコインは年末までに19万9000ドルまで上昇する可能性がある。一方、株価の低迷が主な要因となる弱気な見通しでは、予測は6万4000ドルに引き下げられる。 同行は7月24日の報告書で、今回の最新の見通しには、ユーザーの普及率、マクロ経済状況、そして現物ETF(上場投資信託)の需要という3つの主な要因が織り込まれていると述べた。 シティのアプローチの中核は、ユーザー活動に基づく普及モデルだ。同行のアナリストは、ユーザー数の20%増加とリニアなネットワーク効果を予測した。これだけで、価格のうち、約7万5000ドルを支えることになる。 そこから、株式とゴールド(金)の軟調なパフォーマンスを主因とするマクロ経済要因が3200ドルを引き下げる一方、ETFへの150億ドル(約約2兆1750億円、1ドル=145円換算)の追加流入を想定し、約6万3000ドルが加算される。その結果、基本シナリオのの年末目標は13万5000ドルとなる。 2024年1月にアメリカで現物ETFが承認されて以来、ETFへの流入はビットコインの価格変動を形作る中心的な要因となっている。シティはその流入だけで最近のBTC価格変動の40%以上を占めていると推定しており、新しい予測モデルにおいても非常に大きな役割を果たしている。 報告書によれば、普及曲線がモデルの軸ではあるものの、ETF、インデックスへの組み入れ、規制当局の承認拡大などを通じて、暗号資産が伝統的金融市場にますます統合されていることから、マクロ経済要因と機関投資家からの流入の重要性が高まっているという。 シティのアナリストは、この予測に対するリスクは上振れに傾いていると指摘している。 ETFの需要は予想以上に加速しており、ユーザー活動の減衰率はモデルよりも緩やかであることから、ネットワーク効果が当初の予測よりも長く続く可能性が示唆されている。 ビットコインの今後の動向は、テクノロジーの採用だけでなく、資本配分戦略と投資家の資金流入にも大きく左右されると報告書は述べている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin to Hit $135K by Year-End in Base-Case Forecast, $199K in Bullish Scenario: Citi
CoinDesk Japan 編集部