海外F1実況がレッドブル角田裕毅に辛辣評価「彼は優秀だが、コンストラクターズ王者を狙うなら適した人選ではない」(motorsport.com 日本版)
Sky SportsでF1の実況を務めるデビッド・クロフトは、今季途中からリアム・ローソンに代わってレッドブルのステアリングを握る角田裕毅について辛辣な評価を下し、少なくとも現状では「間違った人選」になってしまっていると述べた。 【動画】得意料理はチャーハン。日本人F1ドライバー角田裕毅の素顔に迫る レッドブルはここ最近、王者マックス・フェルスタッペンに匹敵するパフォーマンスを発揮できるチームメイト探しに苦慮している。不振が目立ってきたセルジオ・ペレスを昨年末で解雇すると、今季開幕に向けてはフル参戦1年目のローソンを抜擢したが、開幕から最下位付近を走ることが多かったためわずか2戦でレーシングブルズに更迭。第3戦日本GPからは角田を昇格させた。その角田は昇格後の6戦で3度の入賞を記録するなどまずまずの滑り出しを見せたが、それでも最速マクラーレン勢に食らい付くフェルスタッペンとは大きな差があるのも確かだ。 レッドブルは昨年フェルスタッペンがドライバーズタイトルを4連覇するも、コンストラクターズタイトルはマクラーレンに奪われた。今年も既にマクラーレンとは倍以上の点差がついており、メルセデス、フェラーリと2位〜4位を争っているのが現状だ。クロフトはレッドブルがコンストラクターズタイトルも狙うのであれば、現状適切なラインアップとは言えないと考えている。 彼はSky Sportsのポッドキャストの中で、扱いづらいと言われるレッドブルRB21を手懐けられるドライバーが他にいるのかと尋ねられると、こう答えた。 「その答えはイエスだと思う。ただ、彼らがランド・ノリスやジョージ・ラッセル、カルロス・サインツJr.といったレベルのドライバーを起用することはないだろう」 「F1史上最も経験豊富な日本人ドライバーとなった(※日本人歴代最多出走記録に並んだ)ユウキには大変失礼な言い方になってしまうが、彼はランド・ノリスではない。彼は優秀なドライバーだが、優勝の経験はまだない。いつか勝ってほしいと思っているがね」 「レッドブルとしては今の方針を継続して、アイザック・ハジャーやアービッド・リンドブラッド、さらにその後に続く若手の中からマックスに匹敵する存在が現れるのを期待したいという思いもあるだろうが、マックスは特別だ。彼はどんなマシンに乗ってもマシン以上のパフォーマンスが出せる特別な才能を持っている、最も力のあるドライバーなんだ」 「そんなマックスのコンマ2、3秒以内に迫れるドライバーを求めるというのは非常に厳しい注文になるが、レッドブルはタイトルを争うチームなのだからそれを現実な目標とすべきだ。そしてそういうセカンドドライバーを求めるのは非現実的なことでもない」 「個人的には、彼らはまだ間違った人選をしていると思う。コンストラクターズタイトルを獲りたいなら、それに適したドライバーを獲得すべきだった。ユウキも将来的にはそういうドライバーになるかもしれないが、それを証明できているとは思えない」 司会から『レッドブルは代わりに誰を起用すべきだったのか』と問われたクロフトは、こう答えた。 「カルロス・サインツJr.を獲得しにいくべきだったが、それはなぜか実現しなかった。サインツは次の年に向けたドライバーマーケットの中で最も魅力的なドライバーだった」 「では彼を逃した今、次は誰を狙うのか? ランドは長期契約を結んでいるが、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は今年いっぱいで契約が切れる」 「その(フェルスタッペンとラッセル)の組み合わせになれば話題には事欠かないだろうし興味深い。ジョージとマックスの間には私怨があるわけではないが、ふたりとも競争心が強く、過去に何度か衝突したこともある。でも、そのくらいのレベルのドライバーが今のレッドブルには必要なんだ」 一方、そんなクロフトのコメントとは裏腹に、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は今季の最優先はドライバーズチャンピオンであると明言している。彼はモナコでSky Sportsのインタビューに対して次のように語った。 「コンストラクターズタイトルを獲るには、2台のマシンが常に大量得点を獲らなければならない。マクラーレンはそれを実現していて、素晴らしい仕事をしている。だから今年マクラーレンとコンストラクターズで争うのは非常に厳しい」 「我々の最優先事項はドライバーズタイトルだ。5連覇を達成したのはF1史上でただひとりだけ(※ミハエル・シューマッハー)で、それだけ難しいことなんだ。我々はマックスでそれを成し遂げたい」 「今も十分に射程圏内にいる。彼のこれまでの2勝も絶妙なタイミングだったし、シーズンはまだまだ長い。夏の間にマクラーレンとの差を詰めておけば、シーズン後半のプレッシャーが本格化する中で、マックスの真価が発揮されるはずだ」
Lydia Mee