米国株が上げに転じる、国債利回り上昇-円は一時144円ちょうど

Robert Brand、Julien Ponthus

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

9日の米株式相場は、取引開始後もみ合った後に上昇。国債相場が下落する中、またもや混沌(こんとん)とした取引の一日が始まった。株価指数先物が時間外取引で下げていたが、上げに転じた。米国の関税政策に対する中国の報復措置により、貿易戦争の拡大に歯止めがかからないことが示された。

  S&P500種株価指数はひとまず弱気相場の領域に入るのを回避した。期間が長めの米国債からの資金流出が加速し、30年物利回りはアジア時間に一時5%を上回った。金は円やスイス・フランとともに上昇している。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率 米30年債利回り 4.83% 6.1 1.27% 米10年債利回り 4.38% 8.3 1.94% 米2年債利回り 3.78% 4.9 1.33%     米東部時間 10時11分

  円はドルに対して上昇。中国が米国の追加関税に対して報復措置を発表し、安全資産とされる円への逃避買いが膨らんだ。一時は約1.6%高の1ドル=144円ちょうどまで買われた。これは昨年10月2日以来の高値。

関連記事:円が対ドルで急伸、一時144円ちょうど-米中関税応酬で逃避買い (1)

  IGマーケッツのチーフ市場アナリスト、アレクサンドル・バラデス氏は「貿易戦争はエスカレートしており、投資家は今、何もつかむものがない状態だ」と指摘。「今明らかなのは、米債券市場はもはや安全な避難先ではなく、逆に株式相場に圧力をかけている」と述べた。

原題:Bonds Buckle as Stocks Pare Drop Amid Trade Chaos: Markets Wrap(抜粋)

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