ユーロ続伸、対ドルで1年半ぶりの大幅な週間上昇率-関税リスク低下

Naomi Tajitsu、Vassilis Karamanis

  • トランプ米大統領が欧州に直ちに関税導入するとの懸念が薄れる
  • 独PMIは予想外に拡大圏、ECBの年内利下げ観測も後退

外国為替市場では24日の欧米時間帯に、ユーロがドルに対して続伸し、週間ベースでは約1年半ぶりの大幅高。域内の利下げ観測後退に加え、米国による関税措置が従来考えられていたほど早期に発動されることはないとの見方がユーロを支えている。

  ニューヨーク時間午後0時55分現在は、前日比0.9%高の1ユーロ=1.0513ドルで取引されている。週間ベースでは2.3%高と、2023年7月以来の大きな上昇率。堅調の一因は週間ベースでのドル大幅安にある。

  ユーロは昨年9月から下落傾向にあった。トランプ氏が1月に米大統領に就任した後、欧州を対象にした関税措置を導入するとの懸念が重しとなっていた。しかし、同氏はまずメキシコとカナダに目を向けた。

  バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)のG10為替戦略責任者、ロベルト・コボ・ガルシア氏は「トランプ氏が欧州や他の貿易相手国に対して直ちに関税措置を講じなかったことが、ユーロに対する弱気を反転させる一助となった」と指摘。

  「バリュエーションやテクニカル面、欧州中央銀行(ECB)に対する市場のプライシングやポジショニング、そのいずれもがユーロに対するショートがやや行き過ぎであることを示唆している」と述べた。

  同氏はユーロ反発が短期的に続くと予想している。

  S&Pグローバルがこの日発表した1月のドイツ総合購買担当者指数(PMI)速報値が、市場予想に反して拡大圏となったこともユーロ押し上げに寄与した。市場が織り込むECBの年内利下げ幅は約88ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、23日の95bpから縮小した。

関連記事:ドイツの民間経済活動に落ち着き、総合PMIが予想外に拡大領域入り

原題:Euro Set for Its Best Week in a Year on Easing Tariff Risk (2)(抜粋)

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