伏兵か本命か、エクレストン「議論の余地なし」2025年F1チャンピオンを予想

伏兵と呼ぶべきか、本命と言うべきか。かつてF1を率いたバーニー・エクレストンは、2025年のF1世界選手権でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がドライバーズタイトル5連覇を達成すると確信している。

94歳の元F1最高責任者はロイター通信のインタビューで、2025年型F1マシン「RB21」が機能すれば、フェルスタッペンが王座を逃す理由はないと語った。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

最終プラクティス前にパドックを歩くチェイス・ケアリー(F1グループ会長)とバーニー・エクレストン(F1 CEO)、2016年11月26日(土) F1アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)

プレシーズンテストを経て、2025年のタイトル争いは近年で最も熾烈になると広く予想されている。昨年は4チーム、計7人のドライバーがレースで優勝したが、2025年はそれを上回る接戦が期待されている。

特に昨年コンストラクターズ選手権を制したマクラーレンが優勢との見方が強く、フェラーリやメルセデスの進化にも注目が集まる。

欧州の専門誌6紙による開幕前の予想では、レッドブルはトップ4チーム中最下位に位置付けられ、フェルスタッペン自身も開幕戦での優勝争いは厳しいと見ている。

このような状況の中、開幕オーストラリアGPでは2022年5月以来となる選手権リーダー交代の可能性もあるが、それでもエクレストンは、フェルスタッペンの強さを疑わず、最終的にはドライバーの実力と経験が勝敗を決めると考えている。

エクレストンは、選手権争いが激化している現状について「喜ばしいことだ」と認めつつも、「私は依然としてマックスが勝つと考えている」と語った。

「彼が勝てない理由はない。適切なクルマがあれば、議論の余地はない。確実に勝つだろう」

「クルマが戦えるレベルにあれば、彼は仕事をやり遂げるはずだ」

仮にフェルスタッペンが2025年シーズンもタイトルを獲得すれば、ミハエル・シューマッハが2000年から2004年にかけて記録した5連覇に並ぶことになる。この偉業を成し遂げたドライバーは歴史上シューマッハのみであり、フェルスタッペンにとって大きな挑戦となる。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ドライバー集合写真撮影に臨むカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

フェラーリのタイトル争いとハミルトンの立ち位置

マクラーレンと並び、有力視されるフェラーリは、7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンを迎え、シャルル・ルクレールとのコンビでタイトル争いに挑む。

ファンの関心事の一つは、チームがどちらのドライバーを優先するかという点にあるが、エクレストンはルクレールの立場が揺らぐことはないと考えている。

エクレストンは「フェラーリがルクレールを見限ることはないだろう。もちろんルイスの(タイトル獲得の)可能性がゼロというわけではないが、彼はずっとフェラーリにいるドライバーだからね」と分析した。

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリのルイス・ハミルトン、フレデリック・バスール代表、シャルル・ルクレール

メルセデス期待のホープに対する厳しい見解

ハミルトンの移籍に伴い、メルセデスは18歳のイタリア人ドライバー、アンドレア・キミ・アントネッリをレギュラードライバーに抜擢した。

ハミルトンがF1デビューを果たした2007年は、開幕9戦連続で表彰台を獲得し、2勝を挙げて総合2位でシーズンを終えた。

だが、エクレストンはアントネッリが同じ道を歩む可能性は非常に低いと考えており、アントネッリがデビューシーズンで勝利するとは思えないと厳しい見解を示した。

Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

2025年メルセデスからF1参戦が発表されたアンドレア・キミ・アントネッリとチームメイトとなるジョージ・ラッセル-2024年8月31日モンツァ・サーキットにて

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