巨人・浅野翔吾が王、坂本、岡本もできなかった偉業へ挑む プロ初アーチのマツダ「1試合も落とさない」
巨人の浅野翔吾外野手(20)が13日の広島戦(マツダ)で自身初の3戦連発に挑む。21歳以下での達成となれば、球団では23年の秋広以来、5人目の快挙になる。チームはこの日、広島入り。勢いに乗る背番号51がプロ初アーチを放った思い出のマツダで、再び暴れる。またここまで0勝3敗と今季初勝利が待たれる戸郷翔征投手(25)は、3回1/3で自己ワースト10失点KOとなった4月11日以来となるマツダでの先発に「過去のことなので。新しい記憶で」と悪夢を一掃することを誓った。
浅野が前を見据え、表情を引き締めた。現在、2試合連続でスタメン起用され、2戦連続アーチ。レギュラー奪取へ、これ以上ないアピールを続けている。巡ってきているこのチャンスを逃すわけにはいかない。12日に広島入りした高卒3年目の背番号51は「継続することが難しいと思うので、満足せずに結果を出し続けられるように頑張りたいと思います」と語気を強めた。
快挙を射程に捉えている。13日の広島戦(マツダ)で本塁打を放てば、自身初の3戦連発。21歳以下のシーズンで3試合以上連続本塁打は、球団では23年の秋広以来、5人目となる。王貞治、坂本、岡本が初めて3戦連発をマークしたのは4年目、22歳のシーズンで、名だたる先輩たちでも成し遂げられなかった偉業への挑戦権を得ている。
追い風が吹く。13日からはマツダで広島との3連戦。ルーキーイヤーだった23年8月18日にプロ1号2ランを放った場所でもある。昨季は9月21日に打球を後逸する失策を犯して悔しい経験もしたが、9月28日には自身初のリーグ優勝の歓喜を味わった。くしくも13日の広島の先発はプロ初アーチを見舞った左腕の森。再びアーチを描き、勢いに乗っていく。
苦境の中で背番号51が明るい材料になっている。不動の4番だった岡本が左肘じん帯損傷で離脱中で、直近の5試合は2勝3敗。現在31イニング連続でタイムリーヒットが出ていない。ヘルナンデスや坂本が打撃不振にあえぎ、丸が負傷離脱している苦しい状況だが、7日に1軍昇格した若武者は起用に応える活躍。浅野について二岡ヘッド兼打撃チーフは「強く振れるようになっている」と状態の良さに目を細める。
前回のマツダでの試合でチームは3タテを食らっており、やられっぱなしではいられない。自身にとって今季初の広島との試合に臨む浅野は「1試合も落とさない気持ちで頑張っていきたい」と決意をにじませた。勝利へつながる放物線を描いていく。(宮内 孝太)
◆浅野とマツダスタジアム
▽23年8月18日 「7番・右翼」でスタメン出場。5回に森から左翼防球ネットに突き刺す1号2ランを放った。くしくも高松商時代の22年の同日は夏の甲子園準々決勝(対近江)で本塁打を含む3安打を放っていた。
▽24年9月20日 試合前の円陣で「今日のテーマ、つながりでいきます!」と叫び、ポケットから眉毛が一本につながった自身の幼少時代の写真を取り出してナインに披露。打線もつながり、自身が円陣を務めるようになってから1分けを挟み4連勝。
▽24年9月21日 4―2の8回2死二、三塁で小園の右前適時打に猛チャージするも後逸。その間に二走・羽月の同点となる生還と小園の三塁進塁を許した。チームは逆転負け。試合後はベンチでタオルをかぶりうなだれた。
◆巨人の21歳以下のシーズンで3戦連発以上 最多は23年に4戦連発した秋広(21歳=3年目)。3戦連発以上は4人がマークし、秋広のほかに65年柴田勲(21歳=4年目)、83年吉村禎章(20歳=2年目)、94年松井秀喜(20歳=2年目)の3人がいずれも3戦。ちなみに王貞治、坂本、岡本が3戦連発をマークしたのは4年目22歳のシーズン。