ウクライナ安全の保証、意見の一致形成は可能-プーチン氏主張

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は決して容認できないとの従来の立場を繰り返しつつ、ウクライナの安全の保証を巡り意見を一致させることは可能だと語った。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア侵攻のいかなる解決にも、支援国による「NATOのような」形態の安全の保証が欠かせないと繰り返し訴えている。同国とその支援国は、プーチン氏との間で結ばれる合意が確実に維持されるためどのような保証が可能か、詳細を集中的に作業中だ。

  戦後のウクライナの安全の保証にロシアも関与を主張しているが、ウクライナは拒否している。

  プーチン氏は2日、「戦争が終結すれば、ウクライナの安全を確保する選択肢はある」と、北京でスロバキアのフィツォ首相との会談中に発言。「この点で合意を見いだす機会はあるように思われる」と述べ、これに関してアラスカで行ったトランプ米大統領との会談でも議論に上ったと明らかにした。

  ロシアはウクライナの欧州連合(EU)加盟には反対しないが、NATOへの加盟は長期的にも「受け入れられない」と、プーチン氏は明言した。

  一方、NATOのルッテ事務総長は、ウクライナを守るには外国による安全の保証と強力な軍隊が必要だと述べた。

  「平和を持続させるには、ウクライナが自国の強力な軍隊を持つだけでなく」、支援国による安全の保証が必要だと、ルッテ氏は2日、ルクセンブルクで記者団に語った。「米国と欧州、その他の諸国が現在、その内容を定義しているところだ。周知の通り、我々は多くの形式で協議を重ねている」と続けた。

  プーチン氏はフィツォ氏との会談で、ロシアが欧州にとって脅威であるとの考えは「完全にナンセンス」だと主張。

  「ロシアが欧州への攻撃を計画しているかのようなヒステリーが常にあおられている」と述べ、「これは挑発行為か、もしくは完全な無能だ」と非難した。

  ルッテ氏は以前、ロシアが5年以内にNATO領内への攻撃を検討するようになる可能性を示唆。ドイツのメルツ首相や欧州の複数の情報機関も同様の見解を示している。こうした警戒感にトランプ米大統領の圧力も加わり、NATO加盟国は防衛費を数十年ぶりの水準に引き上げることで合意した。

関連記事:NATO加盟国、防衛費引き上げ「5%」目標合意-集団防衛も再確認

  プーチン氏はフィツォ氏に対し、ロシア軍が侵攻開始直後に掌握したウクライナのザポリージャ原発について米国側と協議したと説明。

  「ザポリージャ原発で協力することすら可能だ」と主張した。

原題:Putin Says Consensus on Security Guarantees for Ukraine Possible(抜粋)

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