“奇策”荒木隼人FW起用も実らず0-3完敗…広島スキッベ監督「今の我々はオフェンス面であと一歩が足りない」
0-3完敗に終わったサンフレッチェ広島
[10.25 J1第35節 横浜FM 3-0 広島 日産ス]
サンフレッチェ広島は25日、横浜F・マリノスに0-3で大敗し、4日前のACLE蔚山戦(●0-1)に続いて公式戦2連敗となった。ミヒャエル・スキッベ監督は下位相手の黒星に「Jリーグは上から下まで均衡したチームで、どの試合も均衡したゲームになる」と受け止めつつ、「いまの我々はオフェンス面でもう一つ、あと一歩が足りない」と攻撃面の課題を見つめた。
最もゴールに近づいていたのは0-1で迎えた後半10分すぎ。右ウイングバックで後半から投入されたMF中野就斗を起点に左サイドに大きく展開することで、同じく交代投入のMF中村草太やMF東俊希が次々にフリーでボールを受ける場面が続き、同21分にはオフサイドによって得点取り消しとなったが、東のクロスを中村がゴールに押し込むという際どい場面もあった。
だが、VAR介入によるインターバルで横浜FMに対策を打たれると、後半33分には攻撃の最後の一手としてFWジャーメイン良に代わって日本代表CB荒木隼人を前線で起用したが、これが不発。9月12日の京都戦(△1-1)でも講じていた“奇策”は、ほとんど前線にボールが渡らないままに対応され、そこから流れを失って2失点を喫した。
スキッベ監督は試合後、荒木の前線起用について「今日の試合はセットプレーがたくさんあった。それが隼人を前に入れた一つの理由」と説明。その後に攻撃が停滞したことについては「自分たちではなく、相手に守り方によるものだと思う。隼人が入ったからではない」とした。また現状の攻撃の課題を「ボックスまでは良い形でいくことができている。そこから先の部分を突き詰めてやっていって、ボックス内でどれだけいいプレーができるかにこだわる必要がある」と捉えた。 苦しいチーム状況のなか、1週間後の11月1日には柏レイソルとのルヴァン杯決勝が控えている。スキッベ監督は「まず次の試合まで時間があるのは嬉しく思っている。ずっと連戦をしてきたので疲弊しているのが現状だ」と週2試合の連戦が終わることに安堵しつつ、負傷離脱中のMF中島洋太朗とMFトルガイ・アルスランの名前を挙げて「この1週間でメドがたてば攻撃のアクセントになり、チャンスを作ってくれると思う」と復帰への期待を示した。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中