イギリスとフランス、和平合意後のウクライナに部隊派遣へ

画像提供, Getty Images

画像説明, ウクライナへの部隊派遣に関する文書に署名した(左から)同国のゼレンスキー大統領、フランスのマクロン大統領、イギリスのスターマー首相(6日、パリ)

イギリスとフランスは6日、ウクライナとロシアの和平合意が成立した場合、ウクライナに軍隊を派遣するとの意向を表明する宣言書に署名した。イギリスのキア・スターマー首相が発表した。

スターマー氏はこの日、パリで開かれた、ウクライナを支援する「有志連合」の首脳や高官らの会合に出席。終了後に共同記者会見に臨んだ。その場で、ウクライナに対する将来の侵略を抑止するため、イギリスとフランスが「ウクライナ各地に軍事拠点を設置する」と述べた。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はその後、数千人の兵士が派遣される可能性があると述べた。

ウクライナを支援する国々はまた、ウクライナに強固な安全の保証を提供することで大筋合意し、停戦の監視はアメリカが主導するよう提案した。鍵となる領土問題は議論が続いている。

ロシアは、ウクライナに駐留する外国軍は「合法的な標的」になると繰り返し警告している。

今回のパリでの発表について、ロシアはまだコメントしていない。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始。現在、ウクライナ領土の約2割を支配している。

この日の共同記者会見でスターマー氏は、「和平合意が成立した場合のウクライナへの軍隊派遣に関する意向の宣言書に署名した」と説明。

「これは、ウクライナと長期的に共に歩むという私たちのコミットメントの重要な部分だ」と述べた。

また、「イギリス、フランス、そしてパートナーの軍隊がウクライナの地で活動し、ウクライナの空と海を守り、ウクライナの軍隊を将来に向けて再生させるための法的枠組みに道を開くものだ」と語った。

スターマー氏はさらに、アメリカが停戦監視を主導することになれば、イギリスも参加すると表明した。

この日の会合に参加したアメリカの協議団トップを務めるスティーヴ・ウィトコフ特使は、ウクライナの永続的な和平には「持続的な安全の保証と強固な繁栄へのコミットメントが不可欠だ」と述べた。

同氏はまた、「これ(戦争)が終われば永遠に終わると、ウクライナの人々が知ることになるように」、有志連合として安全保障プロトコルに合意する作業を「ほぼ終えた」とした。

一方、フランスのマクロン大統領は、会合では有志連合の国々に「かなりの進展」があったと説明。停戦となった場合のウクライナに対する「強固な」安全の保証について合意に至ったと述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、パリで「大きな一歩」が踏み出されたと述べた。同時に、さまざまな努力は、それが戦争の終結につながった場合のみ「十分」とみなすと付け加えた。

画像提供, EPA/Shutterstock

画像説明, ロシアはウクライナ各地で都市や重要インフラへの攻撃を毎日のように続けている(2日、ウクライナ北東部ハルキウ)

ウクライナが安全の「保証」と呼び、米政府関係者らが安全の「プロトコル」と呼ぶものは、将来ロシアがウクライナを攻撃し、ウクライナ防衛に乗り出す際に、トランプ氏に裁量の余地を与える可能性がある。ともあれ、ゼレンスキー氏とヨーロッパの支援国が、アメリカから重要な譲歩を引き出したと感じていることは疑いない。

ただ、この日の会合からは、将来の停戦ラインがどこに引かれるのか、現在ロシア軍が占領しているどの領土をウクライナが明け渡すことに同意するのかといった、新たな詳細情報はほとんど出てこなかった。

領土の明け渡しは、多くのウクライナ国民にとって今なお受け入れがたい。ロシアがウクライナ全土の都市や重要インフラを毎日のように攻撃し続けている状況ではなおさらだ。

領土と安全の保証は、和平に向けた交渉の担当者らにとって、未解決となっている最大の問題だ。

プーチン氏は、ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州)の全域から同国軍が撤退しなければ、ロシアが占拠すると繰り返し警告している。また、戦争終結の方法に関し、いかなる妥協もしないとしている。

ゼレンスキー氏は今のところ、いかなる領土も譲らないとしている。ただ、合意した地点まで軍部隊を撤退させることは、ロシアも同じ対応を取るなら、ありうるとしている。

ロシアは現在、ドネツク州の約75%、隣接するルハンスク州の約99%を掌握している。

関連記事: