ドイツ企業景況感が改善、メルツ氏の歳出計画に期待-Ifo期待指数

Alexander Weber

  • 期待指数は87.7、前月の85.6から上昇-24年6月以来の高水準
  • 次期首相就任が有力なメルツ氏、経済近代化への大型支出に備える

ドイツ企業の景況感は3月に大きく改善し、2024年6月以降で最も高かった。次期首相就任が有力なメルツ・キリスト教民主同盟 (CDU)党首に、経済近代化に向けた大規模な支出が待ち受ける

  Ifo研究所の25日の発表によると、3月の期待指数は87.7と、前月の85.6から上昇した。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は87.3。現状指数も上昇した。

3月のドイツ Ifo 企業景況感指数概要(表)

  Ifoのフュースト所長はブルームバーグTVに対し、「歳出計画は大きな変化だ」と述べた上で、「他の改革と組み合わせる必要がある。そうでなければ、恐らく主にインフレに影響が及ぶだろう」と慎重な見方を示した。

  先月の総選挙を経て、メルツ氏はドイツの老朽化したインフラと軍備の強化を公約。これにより、欧州最大の経済大国であるドイツの展望が上向いている。ドイツ連邦参議院(上院)は先週、財政改革法案を可決した。これにより、数十年にわたる緊縮財政は事実上終了する。

  ただし、トランプ米大統領による関税の脅威が短期的には勢いを損ねる恐れがある。輸出型の産業を抱えるドイツは、世界貿易の分断の影響を特に受けやすい。米国が何を計画しているのか具体的に明確ではなく、ここ最近は懸念が高まっている。

  フュースト氏は「根本的に米通商政策への懸念はある。しかしこの懸念に大きな変化は見られない」と語り、「トランプ政権が来週、実際に政策を公表すれば状況は変わるかもしれない」とも述べた。

原題:German Business Optimism Grows After Merz’s Spending Push (1)

(抜粋)

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