サインツ、ハミルトンの「ルール違反」ブロックを指摘―マイアミ最終ラップでの接触に言及
2025年F1第6戦マイアミGPの決勝最終ラップに発生したルイス・ハミルトン(フェラーリ)との接触について、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、ハミルトンの動きがドライビング標準ガイドラインに抵触するものだったと指摘した。
接触が発生したのは、事実上の最終コーナーにあたるバックストレート終端のターン17だった。7番手を走行していたハミルトンに対し、サインツがイン側から仕掛けたところ、ハミルトンがターンインを開始。軽く接触したが、両車に大きな損傷はなく、ハミルトンが0.391秒差で8位、サインツが9位でフィニッシュした。
クルマへのダメージや不運なバーチャル・セーフティーカー(VSC)がなければ、さらに上位でのフィニッシュも可能だったと考えているサインツにとって、ハミルトンとの接触は特段取り上げるものではなかったようだが、見解を問われると、淡々とした様子で次のように語った。
「特にはないけど、最終ラップでスペースが見えたから、当然仕掛けにいった。彼はちょっと驚いて、僕の動きに反応したみたいだった。ブレーキング中に左へ動いたけど、あれは厳密にはルールブックで禁止されている行為だ。ただ、最終ラップの最終コーナーだからね。誰もが限界ギリギリを狙うのは当然だよ」
デレク・ワーウィックを含む4名のスチュワードは、「両ドライバーに責任がある」として、処分を見送った。ドライビング標準ガイドラインに照らし合わせると、サインツには「レーシングライン上を走行する明確な優先権」がなく、またハミルトンは「通常よりも早くターンインしており、これがサインツの追い抜きに影響を与えた」と指摘した。
Courtesy Of Williams
シャルル・ルクレール(フェラーリ)と角田裕毅(レッドブル・レーシング)をリードするカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
一方でサインツは、同じウィリアムズFW47を駆るアレックス・アルボンが5位入賞を果たす中、自身も本来はそれに匹敵するパフォーマンスが可能だったと述べ、接触以上に悔しさをにじませた。
「今日は本来、もっとたくさんポイントを取れたはずだ。スタートはうまくいったけど、最初のスティントに関しては、ライバル連中が新品タイヤを履いた一方、僕は4周使った中古タイヤだったから、ペース的に不利なのは最初から分かってた」
「おまけに、スタート直後のターン3でアレックス(アルボン)と軽く接触し、クルマにダメージを負ってしまった。使い古したタイヤに、ダメージを負ったマシンという状況だったから、最初のスティントは本当にキツかった。それでも、速いマシンに囲まれながら、なんとか耐えようとした」
「ピットも早めに入ったんだけど、それが逆にVSC中に入ったライバルたちに利を与えることになってしまい、結局また、厳しい展開になってしまった。フェラーリの連中に先行させまいと必至に頑張ったけど、ダメージを負ったクルマと古いタイヤじゃ、やっぱり難しかった。だから今日は本当に悔しい」
それでもサインツは、ウィリアムズの競争力向上に手応えを感じている。
「4強チームと戦えたことは、チームとして本当に誇りに思う。レースの大半の場面では、メルセデスより速かったんじゃないかとすら思ってる。良いニュースだし、これからもチームとしてこの勢いを続けていきたい」
「今後、今回みたいなチャンスに恵まれるサーキットもあるだろうし、その時には自分が一番にそれを活かしたい。その他の週末は、またミッドフィールドでの戦いになるかもしれないけど、それでも、こうしてメルセデスやフェラーリと戦えて嬉しいよ」
Courtesy Of Williams
レース前のレゴF1マシン・パレードではしゃぐウィリアムズのアレックス・アルボンとカルロス・サインツ、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
2025年F1第6戦マイアミGPでは、4番グリッドからスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が3連勝を飾った。2位はランド・ノリス(マクラーレン)。3位表彰台はジョージ・ラッセル(メルセデス)という結果となった。
イモラ・サーキットを舞台とする次戦エミリア・ロマーニャGPは、5月16日のフリー走行1で幕を開ける。