iPhone 17シリーズとAirを全部まとめて比較!16系も用意した。性能やカメラの画質差は?
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AppleはiPhone 17シリーズ4機種を9月19日に発売した。ラインナップの変更点としては、スタンダードの大画面版であるPlusを廃止し、薄型版のAirが追加されたことが挙げられる。
従来はスタンダードとProモデルのどちらを購入するか決めてから、画面サイズを選択すればよかったが、今回はスタンダード、Proに加えて、スリムという要素も天秤に乗せて、購入端末を選ぶ必要があるわけだ。
しかし今回のラインナップはスペックがそれぞれ微妙に異なっており、どれを購入すべきか決めるのがなかなか難しい。またスペック表では分かりにくい性能差も存在する。
そこで今回は以下の新旧モデルを用意し、パフォーマンスやカメラ画質を比較してみた。
- iPhone 17 Pro
- iPhone 17 Pro Max
- iPhone Air
- iPhone 17
- iPhone 16 Pro Max
- iPhone 16
iPhone選びで悩んでいるなら、本稿を参考にしてみてはいかがだろうか。
iPhone 17シリーズには、以下の3種類のプロセッサが採用されている。
- A19 Pro(6CPU 6GPU 16NE)iPhone 17 Pro/17 Pro Max
- A19 Pro(6CPU 5GPU 16NE)iPhone Air
- A19(6CPU 5GPU 16NE)iPhone 17
A19 Pro、A19はともに第3世代の3nmプロセスで製造されており、A19 Proの6コアCPUは「A17 Pro」より20%、6コアGPUは50%高速で、ビデオ再生時間は最大10時間長いと謳われている。
また、A19の6コアCPUは「A16 Bionic」より40%、5コアGPUは80%高速で、ビデオ再生時間は最大10時間長いとされている。直前世代の「A18 Pro」「A18」との性能差は発表されていないので、後ほどベンチマークでチェックしてみよう。
※「C」はCPUコア数、「G」はGPUコア数、「NE」はNeural Engineコア数
スペック表に記載はないが、A19 Proを搭載した17 Pro/17 Pro Max、Airは12GBのメモリを搭載。16 Pro/16 Pro Maxは8GBだったので、より大きなデータを高速に処理できるようになったわけだ。またストレージも17 Pro Maxでは最大2TBを選択可能となっている。
ディスプレイについては、Proモデルはピーク輝度(屋外)が2,000cd/平方m(本稿ではnitはではなくcdで記載する)から3,000cd/平方mへ引き上げられたが、そのほかのスペックは同じ。
一方、スタンダードの17は、最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応し、「常時表示ディスプレイ」機能をサポートした。Airも最大120Hz、常時表示に対応している。シリーズすべてのモデルで同じディスプレイ体験を得られるようになったことは、大きな進化点だ。
17 Pro/17 Pro Max、Air、17で最も大きく異なるのがカメラ構成。それぞれリアに以下のものを搭載する。
- iPhone 17 Pro/17 Pro Max48MP Pro Fusionカメラシステム(48MP Fusionメイン、48MP Fusion超広角、48MP Fusion望遠)
- iPhone Air48MP Fusionカメラシステム(48MP Fusionメイン)、
- iPhone 1748MP Dual Fusionカメラシステム(48MP Fusionメイン、48MP Fusion超広角)
フロントに「18MPセンターフレームフロントカメラ」を装備しているのは全モデルで共通で、テレ端、ワイド端の使用頻度が機種選びの最重要ポイントと言える。
外観からは分からない17 Pro/17 Pro Max、Air、17の大きな違いがインターフェイス。端子形状はすべてUSB-Cだが、次のように差別化されている。
- iPhone 17 Pro/17 Pro Max充電/DisplayPort/USB 3
- iPhone Air充電/USB 2
- iPhone 17充電/DisplayPort/USB 2
つまり、通信速度がUSB 3(約10Gbps)とUSB 2(約480Mbps)と異なるのに加えて、AirはDisplayPort非対応なため、ARグラスなどに映像出力できない。個人的にはリアのシングルカメラ以上に、 ARグラスを利用できないことがAir最大のデメリットだと感じた。
iPhone 17シリーズ最大のトピックとも言えるのが、物理SIMスロットを廃止した、eSIM専用モデルを投入したこと。
一部の国では物理SIMスロット搭載モデルも用意されているが、eSIM専用モデルは物理SIMスロットを取り除いたことにより、バッテリ容量を増やすことができたと謳われている。
また紛失や盗難の際にも、eSIMは物理的に取り外すことができないので、セキュリティ上、有利ともアピールされている。しかしeSIM専用モデルは端末機種変更時の移行が煩雑になるというデメリットもある。個人的には物理SIMスロット搭載モデルも選択肢として残してほしかったところだ。
ボディの材質は17 Pro/17 Pro MaxがアルミニウムUnibody、Airがチタニウムフレーム、17がアルミニウムを使用。前面は全モデルでCeramic Shield 2を採用、背面は17 Pro/17 Pro Max/AirがCeramic Shieldでカバーされている。
サイズ、質量、バッテリ容量、ビデオ再生時間は下記の通りだ。
- iPhone 17 Pro150.0×71.9×8.75mm、206g、4,252mAh、最大33時間
- iPhone 17 Pro Max163.4×78.0×8.75mm、233g、5,088mAh、最大39時間
- iPhone Air156.2×74.7×5.64mm、165g、3,149mAh、最大27時間
- iPhone 17149.6×71.5×7.95mm、177g、3,692mAh、最大30時間
ほかの細かなスペックについては下記の表を参照してほしい。
1TB版: 24万9,800円
256GB版: 19万4,800円 512GB版: 22万9,800円 1TB版: 26万4,800円2TB版: 32万9,800円
256GB版: 15万9,800円 512GB版: 19万4,800円1TB版: 22万9,800円
256GB版: 12万9,800円 512GB版: 16万4,800円前述の通り17 Pro/17 Pro MaxにはA19 Pro(6C6G16NE)、AirにはA19 Pro(6C5G16NE)、17にはA19(6C5G16NE)が採用されている。
スペックからは17→Air→17 Pro/17 Pro Maxという順番で処理性能が高くなると予想していたが、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10.1.3」では異なる結果となった。
Airは17 Pro Maxに対して総合スコアが約72%相当に留まったのだ。CPUスコアは55%相当、GPUスコアは70%相当なので、この2つが大きく足を引っ張ったことになる。
今回すべてのベンチマークは、ベンチマークプログラムのみをインストールし、1回ごとに再起動して3回計測した中で最も高いスコアを採用している。誤差ということは考えづらい。
一方、CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 6.5.0」では、Airは17 Pro Maxに対して、Multi-Core Scoreは96%相当を記録した。さらにAIベンチマーク「Geekbench AI 1.5.0」でも、Airは17 Pro Maxに対して、Single Precision Scoreで100%相当、Half Precision Scoreで96%相当、Quantized Scoreで97%相当を記録している。「Geekbench 6.5.0」と「Geekbench AI 1.5.0」では、Airと17 Pro Maxにおいて「AnTuTu Benchmark V10.1.3」ほどの差は開かなかったわけだ。
しかし、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark Wild Life Extreme Unlimited」では、 Airは17 Pro Maxに対して、Overall scoreで69%相当のスコアを記録した。 この大差はGPUコア数の差だけが原因とは考えにくい。
そこで「AnTuTu Benchmark V10.1.3」実行中の背面温度を計測してみると、17 Proが最大42.1℃、17 Pro Maxが41.3℃、17が42.4℃だったところ、Airのみが44.0℃と特に高かった。サーモグラフィーカメラの画像を見ても、ほかの3機種よりも広い範囲の温度が高くなっている。
「AnTuTu Benchmark V10.1.3」と「3DMark Wild Life Extreme Unlimited」で、Airが17 Pro/17 Pro Maxだけでなく、17よりも低いベンチマークスコアとなったのは、高負荷時の発熱によりサーマルスロットリングが起きている可能性が高い。
ストレージについては、シーケンシャルリードは17シリーズ4機種で横並びであったが、シーケンシャルライトは17 Proが2547.26MB/s、17 Pro Maxが2348.62 MB/s、Airが2625.64 MB/s、17が2976.74 MB/sとなった。
ただし今回、17 Proが1TB、17 Pro Maxが2TB、Airが1TB、17が512GBのストレージを搭載しており、それぞれで異なるメーカー、パーツを採用している可能性がある。また、同じ機種でもストレージ容量が異なれば、リード/ライト性能が変わるかもしれない。今回の結果はあくまでも参考に留めてほしい。
バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度50%、スピーカー音量50%でYouTube動画を連続再生したところ、6時間後のバッテリ残量は17 Proが72%、17 Pro Maxが74%、Airが62%、17が62%となった。単純計算で17 Proは21時間26分、17 Pro Maxは23時間47分、Airは15時間47分、17は15時間47分動作することになる。
なお、17 Pro Maxと16 Pro Max、17と16を比較してみると、各ベンチマークのスコア差は下記のようになった。17シリーズは16シリーズに対して、特にGPU性能とストレージ性能が大きく向上していると言えるだろう。
16シリーズと17シリーズのカメラスペックを比較すると下記のようになる。大まかなところでは17シリーズはすべてのカメラのイメージセンサーが48MPで統一されている。
- iPhone 17 Pro/17 Pro Max48MP広角、48MP超広角、48MP光学4倍望遠
- iPhone Air48MP広角
- iPhone 1748MP広角、48MP超広角
- iPhone 16 Pro/16 Pro Max48MP広角、48MP超広角、12MP光学5倍望遠
- iPhone 16/16 Plus48MP広角、12MP超広角
それに伴い、超広角カメラ、望遠カメラも「Fusionカメラ」と謳われており、 16 Pro/16 Pro Maxではデジタルズームが最大25倍だったところ、17 Pro/17 Pro Maxでは最大40倍に向上している。
実際にテレ端で撮影してみても解像度の差は歴然としている。もちろん最大倍率で撮影した写真を大画面で見ると違和感はあるが、より遠くの景色を引き寄せることができるようになったことは間違いない。
一方、広角カメラで撮影した写真については、17 Pro、17 Pro Max、Air、17だけでなく、16 Pro Max、16でも違いはほとんど見られなかった。撮影状況としては厳しいはずの夜景であっても、イメージセンサーのサイズ差などの影響を感じることはない。感度差などにより素の画像には違いはあるはずだが、画像処理エンジンの進化によりその差をほとんど認識できなくなっているわけだ。
なお、17シリーズにはすべて18MPセンターフレームフロントカメラが搭載されている。このフロントカメラはiPhoneとしては初めて正方形のイメージセンサーが搭載されており、縦向きに持ったままで写真とビデオを縦でも横でも撮影できる。さらに人物を認識して、自動的に全員がフレームに収まるように切り替える機能も用意されている。今回はおっさんの自撮りは避けておいたが、友人や家族とスマホ販売店に訪れたときにはぜひ試してみてほしい。
17 Pro/17 Pro Maxは48MPで統一されたトリプルカメラと高速インターフェイスを必要とするクリエイティブ志向のユーザーにおすすめのフラグシップ。「LiDARスキャナ」が搭載されている点も大きなアドバンテージだ。基本スペックは同じなので、あとは携帯性と画面サイズのどちらを重視するかで選べばいい。
Airは究極の携帯性を重視するiPhoneユーザーにぴったりな端末。広角カメラが48MP解像度なので、望遠撮影は意外とこなせるが、より広い景色や人々を収めたいときにはうしろに移動する必要がある。またARグラスを使いたいのであれば選択肢からは自動的に外れる。
17は個人的には最もバランスがいい端末だと感じた。サイズは手頃。超広角撮影も問題なくこなせる。今回のベンチマークではAirよりスコアが高かったし、なにより17シリーズ最安の12万9,800円で入手できる。USB-CはDisplayPort対応なのでARグラスも利用可能だ。
まずは17から購入検討を始め、より高度なカメラ機能が必要なら17 Pro/17 Pro Max、ある程度機能性については割り切り、スマホ本来の使い勝手を重視するならAirを購入すれば、満足感は高いはずだ。