日本で財布を50回落としたアメリカ人 検証動画が“大バズり” 「世界一正直な国」への愛に世界中から称賛
「いつか東京に行ってみたい」という、漠然とした思いを長年抱えていたジェイソンさん。ヨーロッパ各国など多くの国を訪れたことがありましたが、日本へ来るまで、アジア圏を旅行したことはなかったといいます。 そんなジェイソンさんが日本行きを決めたのは、ある出会いがきっかけでした。 映像編集の仕事の傍ら、末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師として活動していたジェイソンさんは、あるとき奉仕活動の場で偶然、日本人の宣教師に出会います。その宣教師から日本や東京についていろいろな話を聞き、日本へ行きたい気持ちが大きくなっていったそうです。 こうして2019年、ジェイソンさんは初めて日本の地を踏みました。 「日本に行ったときの感覚は、それまでに行った国とはまったく違っていて、自分にとってとても特別な体験だったんです。それで、自分にとって唯一無二の国である日本を題材にして、動画を作ってみようと思ったんです」 ジェイソンさんは、初訪日から1年も経たない2020年1月、日本の素晴らしさを動画に収めるため、再び日本へやってきました。このとき撮影した動画が、視聴数1088万回以上、コメント数も2万2000件以上を記録(2025年4月現在)する大ヒットとなったのです。
「ちょうどアメリカ人のYouTuberが『落とし物の財布を人々が返してくれるか』という検証動画を出しているのを見たんです。それで、日本でやってみようと思いました。なぜなら日本は『世界一正直な国』だと聞いていたし、僕自身の体験からもそう信じていたからです」 検証方法は、駅や公園、繁華街などさまざまな場所で、アメリカの運転免許証、デビットカード、新幹線の切符、5000円札を入れた財布を落とした“ふり”をするというもの。50回落としてみて、何回拾って返してもらえるのか試しました。 「日本人が正直だというのは知っていたんですが、まさかあんな結果になるなんて思ってもいませんでした。動画からもわかると思うのですが、『財布を返さないでほしい』と何度か思ったくらいなんです(苦笑)。でも、返されないなんてことは一度たりとも起こりませんでした」 結果は、50回落としたうち、手元に戻ってきたのは50回。100%の確率で、財布が戻ってきたのです。 「50回すべて戻ってきたという結果に、心の底から感動しました。『編集で返してくれたシーンだけを選んでいるんでしょう?』とか、『返された部分しか見せていないだけでしょう?』とよく言われるのですが、トリックもなければやらせもありません。財布はたった1つしかなかったんです」
この検証で、ジェイソンさんは日本と日本人への愛着をより深めました。さらに、動画を通じて新たにわかったのは、視聴者の60~70%が日本人だということ。それを見て、YouTube動画の新たな方向性を思いついたそうです。 「多くの日本人は、外国人の視点に興味を持っているんだと思ったんです。それで僕は、アメリカ人やほかの国の人向けではなく、日本人に向けた動画を作るのがいいんじゃないかと考えるようになりました」 現在、ジェイソンさんが発信する動画には、日本人の友人のサポートで日本語の字幕がついています。コメント欄にも多くの日本語が並び、日本人のチャンネル登録者が多いことを物語っています。
Hint-Pot編集部