オンラインカジノ賭博「いかなる場合も違法」 芸能やスポーツ界にも
「違法ではないという認識をしてしまい、オンラインカジノをしておりました」
今月15日、お笑いコンビ「令和ロマン」の高比良くるまさんが、ユーチューブの公式チャンネルに動画を投稿した。オンラインカジノへの関与をめぐって警視庁から任意で事情聴取を受けたという報道を事実と認め、謝罪。19日には活動の自粛を発表した。
オンラインカジノにアクセスして賭博をするケースが若者を中心に広がっている。スマートフォン1台あれば24時間賭けができる手軽さで違法性の認識が薄く、警察は「オンラインカジノで国内から賭ければ、いかなる場合でも違法だ」と注意を呼びかける。
国内では公営の競馬、競艇、競輪、オートレース以外に賭ける行為は賭博罪にあたる。
昨年は2.6倍に増加
オンラインカジノのなかでも、店にあるパソコンなどから客がアクセスして賭ける「店舗型」と、個人がスマートフォンなどで行う「無店舗型」がある。スロットやスポーツの勝敗予想をして、店舗型では店側が、無店舗型は決済代行業者がポイントを換金する仕組みだ。
警察庁はオンラインカジノの決済代行業者などからSNSで緩くつながる「匿名・流動型犯罪グループ」へと資金が流れている可能性があるとして、近年摘発を強化している。
警察庁によると、昨年は279人(暫定値)が摘発され、前年の107人から2.6倍に増加。統計を取り始めた2018年以降で最多となった。
特に近年摘発が目立つのは無店舗型だ。店舗型は18年以降で毎年52~152人の摘発があるが、無店舗型は22年の1人が初めて。23年は32人、昨年は227人と右肩上がりに増えている。
20代→30代→10代の順
昨年には警視庁など各地の警察が、会社員や主婦ら利用者50人以上を一斉に摘発。今年に入ってからも、21年の東京五輪卓球男子団体で銅メダルを獲得した選手が書類送検された。捜査関係者によると、吉本興業所属の複数のタレントも任意で聴取されたといい、問題は広がり続けている。
警察は決済代行業者の摘発に力を入れてきた。胴元側の捜査も進めているが、賭博を合法とする国にサイトが置かれている場合、証拠収集は難しいという。
国際カジノ研究所(東京)が昨年8~9月に国内の6千人を対象に実施した調査では、2.8%が直近1年間でオンラインカジノをしたと回答。21年から1.2ポイント増えた。昨年は男女ともに20代、30代、10代の順で利用率が高かった。
■「ブロッキング導入を」…
この記事を書いた人
- 板倉大地
- 東京社会部|警察庁担当
- 専門・関心分野
- 事件、事故、警察行政
- 吉村駿
- 東京社会部
- 専門・関心分野
- 事件・事故、スポーツ、生き物