トランプ関税で米経済は今年減速へ、リセッションは想定せず-IMF

Augusta Saraiva

  • データは「経済活動が昨年の強いペースから減速していること示唆」
  • 関税の「影響を精査中」、結果は4月公表の世界経済見通しに反映へ

国際通貨基金(IMF)は、トランプ米大統領が強硬な関税政策を推し進める中、今年は米経済成長ペースが減速すると予想。ただ、リセッション(景気後退)は想定していないと明らかにした。

  「大規模な政策転換が発表されており、最新のデータでは経済活動が2024年の非常に強いペースから減速していることが示唆されている」とIMFのコザック報道官は27日の記者会見で指摘。「ただし、リセッションはわれわれの基本シナリオには含まれていない」と話した。

  トランプ氏は一連の関税を警告しており、主要貿易相手国のカナダやメキシコ、中国に対しては既に一部を発動。4月2日にはさらなる関税が予想されている。また、米国の製造業と雇用の押し上げを目指し、自動車や工業用金属などのセクターも標的にしている。

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  この日発表された2024年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)確報値は前期比年率2.4%増と、改定値の2.3%増から上方修正された。

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  しかし今年については、成長鈍化を見込むエコノミストが多い。消費者や企業を対象にした調査では、先行きの景況感悪化が相次いで示唆されている。

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  IMFでは関税に関する「一連の発表の影響を精査しているところだ」とコザック氏は述べ、その結果は4月に公表する世界経済見通し(WEO)に反映されると続けた。さらに、こうした措置が各国・地域に与える影響について分析を進めているとし、関税が維持されれば特にカナダとメキシコは「著しい悪影響」を受ける可能性が高いと付け加えた。

原題:IMF Says US Economy Slowing But Doesn’t Forecast Recession(抜粋)

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