【事故か、テロか?】中国で航空機が高層ビルに衝突!共産党指導部人事の駆け引きや習近平の“後任”にも影響か?(Wedge(ウェッジ))

 7月1日付けフィナンシャル・タイムズ紙は「史上初の航空機衝突と北京の安全認識」との解説記事を掲げ、6月26日北京中心部で発生した軽飛行機の最高層ビルへの衝突を解説している。概要は次の通り。  CITIC(中国中信集団:金融、資源、不動産など多岐にわたる事業を展開する中国最大級の国有コングロマリット)の社員は、軽飛行機の本社衝突後、会社首脳部から誰にも話すなと言われたそうだ。北京で近年最も目立つ安全侵害は、隠蔽された。  しかしこの衝突は、首都の安全確保責任者に不都合で失職に繋がり得る疑問を投げかける。米クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイによれば、この事件は安全の重大欠陥の結果であり、誰かが辞めなければならない。  北京郊外の飛行学校を離陸した軽飛行機は、共産党首脳居住区の中南海から7キロメートル(km)以内を飛行した。事故は、7月1日の共産党設立105周年記念式典数日前に発生した。  共産党は、2027年10月の共産党大会を準備中で、この事故の責任を誰が取るかは、指導部人事の駆け引きを一層深刻化する。当局は13人の負傷を公表したが、死亡した操縦士の身元や、事故か意図的行為かは未発表だ。  衝突した350キログラム(kg)の飛行機は、国家安全保障上は些細な脅威だが、北京の規制は世界一厳しい。多数のカメラが監視し、全旅行者は身分証明書を検査され、中心部は私服警官だらけだ。  首都圏の商用飛行は規制されており、旅客便は一定高度以上でのみ飛行可能で、ドローンは禁止。航空当局は第二環状線内より少し広い「禁止空域」の飛行を厳しく制限している。元操縦士によれば、この空域入域は即警報を発動させ空軍対応もあり得る。

 北京が属する人民解放軍(PLA)中央戦区司令官は昨年から韓勝延が務めている。PLA専門家によれば、6月26日の飛行への当局の対応は不明だが、このようなことは誰も想定しておらず、中国政府にとりこの事件は深刻で、敵方の見方を懸念するだろう。しかし、同専門家が言うには、PLAでも低高度・低速移動の航空機を察知するのは無理で、民間当局にはほとんど対応の時間がなかっただろう。  PLAは粛清の最中だ。1月に習近平は最高位の張又侠を追放。習近平主席就任以降、准将・海将補以上の高官80人以上が粛清され、最近も6人の高官追放が発表された。  宇宙・サイバー・情報戦戦略軍の元司令官・巨乾生の扱いは、今後のPLA関係者処分の前例になるかもしれない。23年に米国がスパイ気球を撃ち落とした後、巨は公開の場から消えた。後に再登場し中央軍事委員会委員に留任していたが、今や公的肩書は皆無だ。  中国政府は、強力なドローン生産と地上1000m以下での低層経済活動促進のための電気飛行機開発を推進しているが、この衝突で規制は強まるだろう。飛行自動車を含むこの市場は、本年の1兆元から35年には3.5兆元(5200億ドル)への拡大が予想されているが、ドローン企業は、本年特に北京で厳しい新規制が導入されたことに困惑している。  当局は6月6日の衝突後も即、私有固定翼軽飛行機への規制を強めた。ミンシン・ペイは、民営飛行学校の首都近辺での活動は停止し、操縦士の身元調査は厳格化するだろう、と言う。当局は厳格なルールを導入し、新防空システムや部隊を配備し、中南海を防衛するだろう。 *   *   *

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