国際ニュース:AFPBB News
発信地:ウェリントン/ニュージーランド [ ニュージーランド アジア・オセアニア ]
-
画像作成中
この写真にはショッキングな表現、または18歳以上の年齢制限の対象となる内容が含まれます。ご覧になる場合にはご了承の上、クリックしてください。画像作成中
【7月31日 AFP】在ニュージーランド(NZ)の中国大使館は30日、NZのウィンストン・ピーターズ外相が中国出身の国会議員に「自分の国へ帰れ」と発言したことについて正式に抗議したと発表した。一方、ピーターズ氏は自身の発言を徹底して正当化している。
28日に行われた新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)へのNZ政府の対応をめぐる白熱した議論の中で、右派寄りのポピュリズム政党「ニュージーランド・ファースト党」の党首でもあるピーターズ氏は、中国出身で左派「緑の党」所属のローレンス・ジュナン議員から「あなたはワクチン接種を受けたのか?」と質問された。
これに対しピーターズ氏は、中国・天津市で生まれNZのオークランドで育ったジュナン氏について「5分前にここへ来たばかりだ」と主張。
「自分の国へ帰れ。向こうの連中は平然とうそをつくが、ここではそんなうそは通用しない」と述べた。
さらに、「お前が慣れ親しんでいるものとは違い、これは民主主義と呼ばれるものだ。元いた場所へ帰れ、このほら吹きめ」と罵倒した。
この発言を受け、中国の王小龍・駐NZ大使は異例のコメントを発表。
X(旧ツイッター)投稿で、内政干渉をするつもりはないと前置きした上で、「ひとこと言わせてもらえば、発言は時に、発言者の人間性を何よりも雄弁に物語るものだ」と指摘した。
さらに在NZ中国大使館も、「特定の政治家による中国に関連する否定的な発言」について、NZ外務省に抗議を申し入れたと明らかにした。
一方、ピーターズ氏は自身の発言を徹底して正当化している。
同氏はXで、「われわれは言論の自由と権利を含む民主主義国家に生きている。他の特定の国々(権威主義国家)はこの二つの価値観を制限するだけでなく、武力を用いて抑え込んでいる」と主張。
「それ(民主主義)に『危険』だというレッテルを貼っているパールクラッチャー(ささいなことに対して大げさにショックを受けたり道徳的な憤りを示したりする人)や共産主義の回し者どもが不快に思うなら言っておく──ニュージーランドへようこそ」と付け加えた。
NZファースト党と連立政権を組む国民党のクリストファー・ラクソン首相はピーターズ氏の発言について、「不適切で注目を集めるためのものだ」と非難した。
ニュージーランドの分極化した政治システムにおいてキャスティングボートを握る「キングメーカー」と目されるピーターズ氏とNZファースト党が、人種差別的な発言で批判を浴びるのは今回が初めてではない。
NZファースト党の副党首、シェーン・ジョーンズ地域開発相は今年4月、インドとの自由貿易協定(FTA)によるインド人移民数万人の流入を「バターチキン津波」と表現し、物議を醸した。
ジョーンズ氏は昨年にも、議論中に実際にはフィリピン出身であるフランシスコ・エルナンデス議員に対して「メキシコ人を母国を送り返せ」と怒鳴り、発言を撤回し、ピーターズ氏と共に謝罪することを余儀なくされた。
当時ピーターズ氏は問題の発言に続けて、エルナンデス氏とジュナン氏に対し、ニュージーランドにいられることに「少しは感謝を示せ」と要求した。(c)AFP