米国債は底を打った公算、海外からの需要は旺盛とJPモルガン
米国債は当面、底を打った可能性があるとの見方を、JPモルガン・アセット・マネジメントが示した。海外からの需要が旺盛な兆しや、必要となれば米連邦準備制度理事会(FRB)が米国債を支えるとの期待が理由。
債券世界責任者のボブ・マイケル氏はブルームバーグテレビジョンでの合同インタビューで「価格はここが底で利回りはピークを付けたとかなり確信している」と語った。
「当社が対話した限りでは、海外投資家は米国債から手を引こうとはしていない」と説明した。
米国債は先週、2001年以降で最悪のパフォーマンスとなった。トランプ米大統領の相互関税と予測不可能な政策で、安全資産としての米国債への需要が弱まった。
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貿易摩擦の激化は既に膨れ上がっている米国の財政赤字に対する懸念をさらに高める。
先週の米国債の2.4%急落は、外国勢として日本に次いで多く米国債を保有する中国が関税措置への報復として米国債を売却しているのではないかとの臆測を呼んだ。
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日本の与党有力者は、米国債保有を交渉の道具として使うことはないと述べている。
マイケル氏は、外国の中央銀行および外貨準備管理当局が最近米国債の保有高を増やしていることを示すFRBのデータを引用した。
また、ボストン連銀のコリンズ総裁が「市場が混乱した場合に金融市場の安定を支える準備は万端だ」と述べたことを指摘した。
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最新のFRBデータによると、海外の中銀、通貨管理当局、国際機関が保有する市場性のある米国債は、2週間の減少の後、9日までの1週間に36億ドル(約5100億円)増加した。
原題:JPMorgan’s Michele More Positive on Bonds on Fed, Reserve Data(抜粋)