守備は組織力とチームワークで対抗するべき。 攻撃の中心はJリーグ2年連続得点王の背番号10だ [ACLE準々決勝 アル・ナスル戦プレビュー]

勝機は必ずある

日本時間の明日朝430分、マリノスはALEエリート準々決勝でアル・ナスルと戦う。

写真:舩木渉

昨年9月、光州FC3-7の衝撃的な大敗を喫してスタートした今大会。だが、以降のトリコロールは強く、逞しかった。光州戦後のリーグステージを61分で駆け抜けて東アジア1位で次のステージに進むと、ラウンド16ではリーグステージ最終戦で相まみえた上海海港に22勝。見事な戦いで最終決戦の地であるサウジアラビアに駒を進めた。

Jリーグと違ってアジアの戦いでは研究や対策を講じてこない相手が多い。個の能力を前面に押し出してくる一方で、組織力や規律、統制といった部分では日本とJリーグに分がある。警戒しなければいけない個の能力も、ひと昔前に比べると破壊力で劣っているので致命傷を受けるには至らない。

言うまでもなく、ここからは個のレベルが段違いに上がってくる。世界的にも有名なスター選手を数多く揃えているのがサウジアラビアの有力クラブで、対戦相手のアル・ナスルも例外ではないだろう。もはや他媒体でたくさん取り上げられていると思うのでマリノスだけを追いかけるヨコハマ・エクスプレスでは詳細を割愛するが、世界トップクラスの選手を擁する強敵だ。

まずは立ち合い負けしないこと。前日会見に出席した永戸勝也が「ピッチに入ったら1111の試合だと思うので、そこは何も恐れていないし、自分たちのパフォーマンスを100%出すことに集中して、いい準備ができている」と話したのは心強い限り。同じサッカー、同じルール、同じ土俵で戦うのだから、勝機は必ずある。

もちろん場所が場所なだけにアウェイの雰囲気に呑まれそうになる可能性も否定できないが、そんな時こそマリノスファミリーの腕の見せどころだ。現地からでも、日本からでも、背中を押す気持ちは変わらない。

アジアの頂点を目指す戦いが、再び始まる。

まずは守備のてこ入れを

ヘッドコーチのパトリック・キスノーボが指揮を執るようになって1週間程度。メンタル面でのリフレッシュは期待できても、肝心要となるピッチ内での戦術やスタイルが劇的に変化するとは思えない。それはキスノーボ自身が「大きな変化は、正直この短い時間では簡単ではない」と本音を吐露している。

写真:舩木渉

一発勝負のトーナメント戦で勝ち上がるには、やはり守備の整備が欠かせない。もしノーガードで撃ち合ってしまえば、たちまち相手の術中だろう。攻撃陣にタレントを揃えるアル・ナスルから勝利をもぎ取るには、スコアを大きく動かさない展開が理想に思える。

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