『フォートナイト』iOS版、ついに米国で配信再開へ。“シビレを切らした”裁判所のAppleへの命令により

Epic GamesとAppleの間で争われている裁判に関して米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は4月30日、Appleに出されていた永久的差止命令に同社が違反したことを認める判決を出した。これを受けてEpic Gamesは、iOS版『フォートナイト』の米国での配信を来週にも再開する方針を示している。海外メディアThe Vergeなどが報じている。

ことの発端は2020年にまで遡る。当時Epic Gamesはモバイル版『フォートナイト』に、Appleが提供するものに加えるかたちで独自の決済手段を実装。Appleへの手数料支払いを回避しつつ、同じアイテムを安価でユーザーに提供した。しかしAppleは、これを規約違反行為であるとして同作をApp Storeから削除。これを受けてEpic Gamesは、Appleを反トラスト法(いわゆる独占禁止法)違反などで訴えた。

両社の一連の裁判において裁判所は2021年9月、Appleは法が定める独占企業とは認められないとし、契約違反の損害賠償金をAppleに支払うようEpic Gamesに命令した。一方で、Appleが規約違反だとしたメーカーへの規制は、反競争的であり消費者の選択を違法に妨げていると認定。アプリ開発者が外部の決済手段にユーザーを誘導することを禁じるガイドラインを撤廃するよう、永久的差止命令を出した(関連記事)。

当時Appleは、永久的差止命令の発効保留を求めたものの、裁判所は同年11月にその申し立てを退けた。また、その後のAppleによる控訴も認められず、2024年1月に差止命令の発効が確定することに。しかし今回の判決にて裁判所は、Appleは自らの収益源を維持するためだけに、差止命令に故意に従わなかったと厳しく指摘。そして、新たな永久的差止命令を即時発行するとした。禁止される主な内容は以下のとおり。

・消費者のアプリ外購入に対する手数料の徴収・開発者によるアプリ外購入へのリンクの配置などにおける制限・ボタンなどを使いアクションを呼び出す仕様のブロックまたは制限

・消費者がアプリからサードパーティーのサイトに移動することへの妨害(中立的なメッセージの掲示は可)

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