NY市場サマリー(23日)株下落、利回り低下 ドル全面安

<為替> ドルが全面安となった。トランプ米大統領が欧州連合(EU)や米アップル(AAPL.O), opens new tabに対する関税について警告したことを受け、世界経済や貿易への影響を巡る懸念が再燃し、ドル売りが膨らんだ。
トランプ大統領は23日、EUからの輸入品に6月1日から50%の関税を課すことを勧告すると表明。また、米国内で販売されるアップルのiPhoneが米国内で製造されていない場合、アップルが25%の関税を支払う必要があると警告した。 もっと見る

ドルは安全資産とされる円に対し、2週間ぶり安値を付けた後、終盤の取引では1%安の142.48円。週間ではドル/円は2.2%値下がりし、4月7日以来の大幅な下げとなる見通し。

23日に発表された4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)が前年比3.5%上昇し、2023年1月以来の大きさとなったことは、円への追い風となった。 もっと見る

ユーロ/ドルは0.8%高の1.1363ドル。ユーロは一時2週間ぶり高値を付け、週間では6週間ぶりの大幅な上昇となる見込み。

主要通貨に対するドル指数は0.8%安の99.09と、3週間ぶり安値を付けた。週足では1.9%安と、4月初め以来の大幅な下落率となる勢い。

ポンド/ドルは一時3年超ぶりの高値を付けた。その後は0.9%高の1.3533ドル。週間では1%高と、5週間ぶりの伸びを記録した。

NY外為市場:

<債券> 長期ゾーンの国債利回りが低下した。トランプ米大統領がアップルや欧州連合(EU)への高関税を勧告したことを受け、経済成長の鈍化懸念が高まった。

長期ゾーンの利回りは週初来、財政見通しを巡る懸念から上昇していた。

指標となる10年国債利回りは3.6ベーシスポイント(bp)低下の4.517%。22日には4.629%と2月12日以来の高水準を付けていた。2年債利回りは3.998%とほぼ横ばいで推移した。

2年債と10年債の利回り格差は52bpに縮小した。

30年債利回りは2.2bp低下の5.042%。22日には2023年10月以来の高水準となる5.161%まで上昇していた。

米債券市場はこの日、26日のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)の休場を控え、短縮取引だった。

米金融・債券市場:

<株式> 下落して取引を終え、週足でもマイナスとなった。トランプ米大統領による欧州連合(EU)や米アップル(AAPL.O), opens new tabに対する関税を巡る発言で、市場の不確実性が高まった。
主要株価3指数は序盤の下げ幅を縮小したものの、軒並み下げ、週間では2%超下落。S&P総合500種(.SPX), opens new tab11セクターのうち、テクノロジー、通信サービス、一般消費財の下げが最もきつかった。一方、公益事業、エネルギーは上昇した。

アップルは2週間ぶりの安値に沈み、3%安で取引を終えた。

週足ではダウ工業株30種(.DJI), opens new tabが2.47%、S&Pが2.61%、ハイテク銘柄中心のナスダック総合(.IXIC), opens new tabが2.48%、それぞれ下落した。
靴製造・販売大手デッカーズ・アウトドア(DECK.N), opens new tabは約20%下落。第1・四半期の予想を下回る純売上高見通しが材料視された。
株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)(.VIX), opens new tabは2週間ぶりの高水準を記録した。

米取引所の合算出来高は176億7000万株。直近20営業日の平均は177億3000万株。

米国株式市場:

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物 相場は、トランプ米大統領の発言を受けて米国と欧州連合(EU)の貿易摩擦が激化するとの懸念が広がる中で安全資産として買われ、反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比70.80ドル(2.15%)高の1オンス=3365.80ドル。週間では5.60%高となった。

NY貴金属:

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、3連休を前に買い戻しが台頭し、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.33ドル(0.54%)高の1バレル=61. 53ドル。8月物は0.29ドル高の60.93ドルだった。

NYMEXエネルギー:

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: