マイクロソフトにデータセンターのリース解約情報、AIブームに疑念

2月23日の米株式市場で、マイクロソフトが人工知能(AI)用データセンターのリースを解約したと記したアナリストのリポートが波紋を広げた。写真は同社のロゴ。パリ近郊で1月撮影(2025年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

[24日 ロイター] - 23日の米株式市場で、マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabが人工知能(AI)用データセンターのリースを解約したと記したアナリストのリポートが波紋を広げた。中国新興企業ディープシープの登場などで投資家の間に浮上していた、AIブームにけん引された相場上昇が行き過ぎではないかとの疑念が改めて強まった形だ。

注目を集めたのはTDカウエンのマイケル・エリアス氏が率いるアナリストチームがまとめた21日付リポートで、サプライチェーン(供給網)の調査を踏まえて、マイクロソフトは少なくともデータセンター運営2社との「数百メガワット」規模のリース契約を打ち切ったと述べた。

同チームによると、マイクロソフトはデータセンターの幾つかの正式なリース契約の前段階となる手続きも中止したという。

マイクロソフトの広報担当者は、今年度にAIとクラウドサービスの供給能力整備に800億ドル強を投資する計画は変わっていないと説明。「われわれは戦略的に一部の分野でインフラ(構築の)ペースを調整するかもしれないが、全ての地域で力強く成長を続けていく」と述べた。

ただTDカウエンのリポートからは、AIインフラの供給過剰が起きている可能性もうかがえる。

バーンスタインのアナリスト、マーク・マルダー氏は、特に主要クラウド事業者の四半期業績がさえない結果だった後だけに需要鈍化を示唆している可能性があるが、同時にこれまでマイクロソフトが需要に対応しようとする余り、必要以上の供給能力を契約で確保してしまった面もあるのではないかとの見方を示した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: