米住宅ローン金利、7%突破-利下げで家が買えるとの期待に冷水

Paulina Cachero

  • 30年ローン金利の7%は市場の低迷が続くかどうかの鍵を握る水準
  • 米利下げでローン金利は一時2年ぶりの低水準-市場の転換点か

米住宅市場で30年物ローンの金利が7%を超え、8カ月ぶりの高水準となった。住宅ローン金利が心理的に重要な水準を超えたことで、買い手側が購入を決めるタイミングがさらに難しくなる可能性が高まっている。

  全米抵当貸付銀行協会(MBA)が15日発表した30年物ローン金利(10日までの1週間)は7.09%。より頻繁に調査を行うモーゲージ・ニュース・デーリーによれば、同平均金利は一段と上昇し7.13%に達した。

  7%は住宅市場の低迷が続くかどうかの鍵を握る水準とみられている。米連邦準備制度は米経済の力強さを背景に追加利下げに慎重な対応を取る可能性があり、持ち家を手に入れたい消費者がすぐに金利低下という恩恵を受けられるかどうかは不透明だ。

30-year fixed mortgage rate climbs to highest since May

Source: Mortgage Bankers Association

  住宅建設分析会社ゾンダのチーフエコノミスト、アリ・ウルフ氏は「2025年には住宅購入が現実的になるとの期待あったが、コスト急上昇のシグナルが全面的に広がっている。住宅は依然として値上がりし、金利も上昇。保険料や固定資産税も同様だ」と述べた。

  米連邦準備制度が昨年9月に利下げを開始し、住宅ローン金利が2年ぶりの低水準に低下したことで、住宅市況回復への楽観論が高まったが、大きな転換点を迎えたことを同氏の指摘は示している。

  住宅価格の高止まりに加え、高水準の金利が続けば、住宅購入の負担感がさらに高まり、販売低迷が長期化する恐れもある。

  フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)が16日発表した30年物ローン平均金利は7.04%と、先週の6.93%から上昇。昨年5月以来の7%突破となった。

原題:US Mortgage Rates Pushing Past 7% Signal Tough Road AheadMortgage Rates in US Climb to 7.04%, Highest in Eight Months(抜粋)

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