デンマーク首相、グリーンランドへの「脅し」をやめるようトランプ氏に要求

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画像説明, グリーンランドの首都ヌークの旧市街(2025年2月撮影)

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は4日、ドナルド・トランプ米大統領に対し、アメリカがグリーンランドを支配するという「脅しをやめる」よう求めた。

メッテ・フレデリクセン首相は、「アメリカがグリーンランドを支配する必要があるなどと語ることは、まったく意味をなさない」と述べた。「アメリカには、デンマーク王国の三つの構成国のいずれかを併合する権利などない」とも強調した。

フレデリクセン首相の発言に先立ち、トランプ政権のスティーヴン・ミラー次席補佐官の妻ケイティ・ミラー氏が4日、アメリカ国旗の色で塗られたグリーンランドの地図に「SOON(もうすぐ)」という言葉を添えてソーシャルメディアに投稿していた。ケイティ・ミラー氏は右派ポッドキャスターで、トランプ第1次政権で大統領顧問だった。

フレデリクセン首相の発言の数時間後には、トランプ氏は大統領専用機内で「我々は国家安全保障の観点からグリーンランドが必要だ。デンマークにはそれはできない」と発言した。

トランプ氏はかねて、グリーンランドの戦略的な位置と鉱物資源を理由に、グリーンランド併合の可能性を繰り返し示している。

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画像説明, マリンボー(デンマーク首相公邸)で年頭のあいさつをするフレデリクセン首相(1日、コンイェンスレンビュ)

デンマーク政府の公式ウェブサイトに掲載された声明で、フレデリクセン首相はアメリカに対し「とても率直に」語りかけると述べた。

首相は、デンマークが、「そしてゆえにグリーンランド」が、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であり、同盟による安全の保証の対象だと指摘。デンマークはすでにアメリカと防衛協定を結んでおり、それによってアメリカはグリーンランドへのアクセスを得ているほか、デンマークは北極圏の安全保障のため投資を拡大していると付け加えた。

「このため私はアメリカに、歴史的に近しい同盟相手に対し、自分たちとは別の国と別の国民に対して、脅しをやめるよう強く求める。(グリーンランドの)住民はすでに非常に明確に、自分たちは売り物ではないと述べている」と、首相は続けた。

これに先立ちデンマークのイェスパー・ムラー・ソレンセン駐米大使は、ケイティ・ミラー氏の投稿に対し、「アメリカとデンマーク王国は同盟国だと、友達として念押ししておく」と投稿。「アメリカの安全保障はグリーンランドとデンマークの安全保障だ」とも書き、「我々はデンマーク王国の領土保全が全面的に尊重されるものと考えている」と強調した。

トランプ氏は作戦後、アメリカがヴェネズエラを「運営」し、米石油企業が「(ヴェネズエラの)ために金を稼ぎ始める」と記者会見で発言した。

トランプ氏はこれまで、グリーンランド支配を確保するため武力を行使する可能性を否定していない。

トランプ氏は、アメリカがグリーンランドを併合すれば、その戦略的な位置とハイテク分野に不可欠な鉱物資源が豊富なことから、アメリカにとって安全保障上の利益につながると主張している。

トランプ政権が昨年末にグリーンランド担当特使を任命したことに、デンマーク国内では反発が高まった。

グリーンランドは人口約5万7000人で、1979年以来広範な自治権を持っているが、防衛と外交政策はデンマーク政府が担っている。

グリーンランド人の大多数はいずれデンマークから独立することを支持しているものの、世論調査ではアメリカの一部になることについて圧倒的に反対する結果が出ている。

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