北朝鮮でまもなく“最重要会議”…米朝首脳会談に向け動き出す可能性も? 北朝鮮にみえる「ある変化」
北朝鮮は2026年、朝鮮労働党にとって最も重要な会議「党大会」を迎える予定だ。党の最高意思決定機関と位置付けられている党大会だが、一体、どんな会議なのだろうか。 5年に1回開催される党大会では、党の最も重要な方針が決められる。つまり、党が国の方針を指導する北朝鮮においては、事実上、最重要会議ということになる。 会議では、それまでの5年間の成果を確認し、今後5年間の目標である「5か年計画」が決められる。これにより、北朝鮮が向かっていく道筋が垣間見えることになる。 今回の開催は2026年2月ごろになると韓国の情報機関・国家情報院は分析しているが、実は会議への布石ともみられる“ある変化”が、最近の金正恩総書記の視察からみられた。
その変化がみられたのは2025年10月、朝鮮労働党の創立記念日の前後からだ。それまでは目立っていた軍事面での視察が減り、病院や工場など人々の生活に近い部分に集中している。 背景には、党大会を前に「国民の生活向上」に注力する姿勢を示す狙いがあるとみられる。党大会が5年間の集大成をアピールする場だけに、国民からの求心力を高めることがいかに重要なことなのかがうかがい知れる。
では、今回開かれる党大会の注目点は、どんなところにあるのだろうか。 まずは、北朝鮮が核・ミサイル開発や軍事力の強化をめぐり、どのような目標を打ち立てるかだ。北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄しないことは、まず間違いない。北朝鮮にとっては国や体制をアメリカなどから守る、いわば“虎の子”。手放せば体制崩壊につながりかねないだけに、むしろ死守するものだ。 こうしたことから、焦点は「どのような兵器などを北朝鮮が新たに導入しようとするか」になってくる。
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奇しくも2026年4月には、トランプ大統領が中国を訪問する見込みだ。もともとアメリカの大統領がアジアを訪問することは、あっても年に数回と数少ない。このため、1度の訪問でまとめて複数の予定をこなすことは珍しくはない。 2019年、金総書記とトランプ大統領が南北の軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)で最後に顔を合わせた際も、日本を訪問した後に突如として訪れていた。 こうした前例があるだけに、両首脳が2026年4月に会談をできたら…と期待を込める関係者も少なくはない。 また、アメリカでは2026年11月に中間選挙を控えているため、この年の後半になればなるほどトランプ大統領は身動きが取りにくくなってくる。さらに、会談を中間選挙に向けた成果の1つにすることを考えれば、上半期のうちに会談を行いたいと考えるのが自然だろう。 韓国の李在明(イジェミョン)大統領に近い関係者は、2026年は「中国と北朝鮮との関係改善に注力する」と話す。李大統領はかねて、北朝鮮問題をめぐりトランプ大統領を「ピースメーカー(平和をもたらす人)」と持ち上げ、自らについて「ペースメーカー」と称している。2018年の米朝首脳会談の際は、韓国の協力もあって会談が実現した。李大統領の発言はその経緯をなぞらえていて、それを再現したい思いが伝わってくる。 こうした中、米韓は2025年12月は北朝鮮問題をめぐる高官級の協議体を設置。韓国メディアは、北朝鮮との対話に向けて協議されると伝えている。 果たして、7年ぶりの米朝首脳会談は実現するのか。環境は徐々に整いつつあるだけに、年明けから北朝鮮の動向から目が離せなさそうだ。