米関税で物価高、インフレ期待上昇リスクを注視=カンザスシティー連銀総裁

米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は10日、トランプ政権が打ち出している大規模な関税措置が物価高につながり、インフレ期待が押し上げられるリスクを緊密に注視していると述べた。2023年8月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)

[ワシントン 10日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は10日、トランプ政権が打ち出している大規模な関税措置が物価高につながり、インフレ期待が押し上げられるリスクを緊密に注視していると述べた。

シュミッド総裁は講演で「インフレ見通しを引き続き緊密に注視していく」と述べた。

その上で「インフレの上振れリスクが顕著に増大する一方、雇用と成長の見通しの下振れリスクが高まっている」と述べ、連邦準備理事会(FRB)が労働市場と経済成長に対するリスクと、インフレ懸念との間で判断を迫られる可能性に言及。「価格圧力が再び高まる可能性が高い。物価安定に対するFRBの信頼性の維持に、いかなる妥協もするつもりはない」と述べた。

理論上は関税による物価への影響は一時的なものにすぎないとされているものの、シュミッド総裁は「現在のような環境下で理論に基づき過度に安心することはしたくない」とし、「このところの高インフレを踏まえ、一段の物価高でインフレ期待がさらに押し上げられる可能性を懸念している」と語った。

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Covers the U.S. Federal Reserve, monetary policy and the economy, a graduate of the University of Maryland and Johns Hopkins University with previous experience as a foreign correspondent, economics reporter and on the local staff of the Washington Post.

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