BPが正社員4700人、契約社員3000人余りを削減へ-業績低迷続く
- 時価総額シェルの半分以下に-コスト削減策続ける方針示す
- 数年にわたる戦略ミス響く-石油・ガス事業への回帰期待の声も
英石油大手BPは正社員の約5%にあたる4700人と、契約社員3000人余りを削減する。マレー・オーチンクロス最高経営責任者(CEO)が16日、従業員に伝えた。
オーチンクロス氏は、今年以降もさらなるコスト削減策を計画していると述べた。同社は昨年6月以来、利益率の高いプロジェクトに集中するため、30件のプロジェクトを中止または一時停止している。オーチンクロス氏は、各部門に人工知能(AI)を導入するなど、デジタル化の推進がコスト削減計画の鍵になると述べた。
オーチンクロス氏がCEOに就いて以降、BPは他の大手石油会社にさらに後れを取り、現在の時価総額はシェルの半分以下となっている。かつてはBPよりも格段に時価総額が小さかった企業にも、追い越されつつある。
こうした状況を前に、投資家は同社に変化を求めている。オーチンクロス氏が2月に石油・ガス事業へのさらなる回帰を発表するとの観測もあるが、すぐに実行できる計画なのかという疑問も残る。
BPは14日、オーチンクロス氏の健康問題を理由に、2月に予定されていた新戦略の発表を2週間延期した。
BPの株価は16日のロンドン株式市場で一時2.3%上昇し、ストックス欧州600指数を構成するほとんどの欧州エネルギー企業を上回る上昇率となった。
ここ数年のBPの業績悪化は、2024年のオーチンクロス氏の正式なCEO就任前からの戦略的誤算を反映している。前任者のバーナード・ルーニー氏は低炭素エネルギーに注力し、世界の石油消費量がすでにピークに達したという誤った予測に従い高価な洋上風力発電への進出を進めようとしたが、戦略を実現する前に個人的な行動により解雇された。
その後、BPはルーニー氏の戦略を徐々に弱めてきた。23年2月には石油とガスの生産削減計画を遅らせ、一連のクリーン水素プロジェクトを中止または一時停止し、同年12月には洋上風力発電事業全体の分社化を発表した。
原題:BP to Eliminate About 5% of Workforce to Cut Costs, CEO Says (2)(抜粋)