イーロン・マスクの父エロルが親子関係から過激な持論までを英紙にぶちまける(クーリエ・ジャポン)

イーロン・マスクの父エロル・マスク(COURRiER Japon)

極右支持者として知られるイーロン・マスクの父親エロル・マスクと、英「フィナンシャル・タイムズ」紙の記者が南アフリカで一緒にランチ。記者は、そもそもエロルに「取材する価値」があるのか疑念を抱きながらも、イーロンの子供時代からエロルのロシア熱、そして彼が信じる陰謀論についてまで、多岐にわたって4時間も話し込んだ。

【画像】インドを訪れた際のエロル・マスク

レストランの暖炉のめらめらと燃えさかる炎に照らされた彼は、「ハイド氏」を連想させる。一方で、私の手を握り、真珠のように白い歯を見せて微笑む長身の親しみやすいその姿は「ジキル博士」を思わせる。イーロン・マスクは伝記作家のウォルター・アイザックソンに、父親には「ジキルとハイド」のような二面性があると語った。しかしエロル本人は、アイザックソンによるイーロンの伝記本は「じつに、じつに出来が悪い」うえ、間違いだらけだと私に言う。イーロンはまた、2017年の米「ローリング・ストーン」誌のインタビューで、父親についてこう語っている──「思いつくほぼすべての悪事を、あの人はやってきた」。これは、エロルが自分より40歳以上若い義理の娘とのあいだに子供をもうけたことが発覚したあとに言ったことだった。だが、南アフリカ西部の風が吹き付ける海辺の町、ランゲバーンのレストランに入ってきたエロルには、人を惹きつける強烈な存在感がある。彼は礼儀正しく、青い瞳で私をまっすぐ見つめる。「とても良いレストランだね」とエロルは言う。初めてかと私が尋ねると、「イーロンとこの町にきたことはあるが、この店は初めてだよ」と答える。

明るい話であれ暗い話であれ、エロルの長々と続く語りは、折に触れてのぞく完璧な歯によって区切られる。その歯が細い髪と髭に縁取られ、深いしわが刻まれながらも、いまなおハンサムな80歳の彼の顔を明るく照らす。

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