世界で人気の「ラブブ」人形、市場に危険な模造品あふれ緊急警告 英

ラブブ人形の人気が世界で沸騰し、偽造品が急増している/Jakub Porzycki/NurPhoto/Getty Images

(CNN) 世界で人気を呼んでいる人形「ラブブ」。しかし英国の消費者安全機関はこのほど、小さな子どもが窒息する危険を伴う模造品が英国市場にあふれているとして、警鐘を鳴らした。

ラブブの正規品は香港のアーティスト、カシン・ロン氏がデザインし、中国玩具メーカーのポップマートが販売を手掛ける。世界中で話題を呼び、非常にもうかる商品になった。ウサギの体に妖精のような顔、鋭い歯を持つ手のひらサイズのぬいぐるみの人気は爆発的で、本物はますます入手困難になりつつある。

ポップマートは5月、人々の殺到やけんかの報告といった混乱が生じたことを受け、英国全土でラブブの店舗販売を一時停止する方針を発表。米ロサンゼルス近郊では先週、窃盗犯が店舗に押し入り、数千ドル相当の在庫を盗み出す事件も起きた。

英国の公認取引基準協会(CTSI)によると、ラブブの人気が高まった結果、模造品が大量に流通しており、多くは安全性に欠けると判断されているという。

英公認取引基準協会が公開した、安全基準を満たさない偽造ラブブ人形の画像/Chartered Trading Standards Institute

CTSIは今回、ウェブサイトで「緊急」警告を発し、全国各地のチームが危険な偽物を数千点押収したと報告した。保護者からの苦情をきっかけに動いたケースが多いという。

CTSIの声明では、「ラブブの偽物は粗悪な作りで、安全性に欠ける」と警告。「多くは目や手足など、小さく取り外し可能な部品を含み、幼い子どもに深刻な窒息の危険をもたらす。縫い目が緩く詰め物が露出している場合、窒息の危険性はさらに高まる」と述べ、「適切な安全検査を経ていないため、鉛や有害な染料、禁止されている可塑(かそ)剤などの有毒物質が含まれている可能性もある」と付け加えた。

CNNは先月、中国で広がっているラブブの模造品の大量生産について報じていた。安価な模造品は「ラフフ」と呼ばれ、中国税関当局は6月以降だけで、輸出が予定されていた何千もの模造品を押収したという。

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