堂島取引所ビットコイン先物上場へ、月内にも申請態勢整える-関係者

堂島取引所(大阪市)がビットコイン先物の上場認可に向けて今月末までに申請準備の態勢を整える方針であることが分かった。申請が認可されれば、伝統的な取引所としてビットコイン先物を取り扱うアジア初のケースとなる。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  日本でも個人による暗号資産の投資家層が拡大しており、価格ヘッジの観点から先物への潜在ニーズは高まっている。先物と現物の取引が相乗効果で盛り上がり、日本の市場規模が拡大すれば、機関投資家の参入も増える可能性がある。

  関係者によると、金融庁からの認可を受ければ、早ければ2025年度中にも円建てビットコインの先物取引開始を目指す。同取引所と金融庁の担当者は、ブルームバーグの取材に対して、それぞれコメントを控えた。

  日本暗号資産等取引業協会によると、国内での暗号資産の稼働口座は過去2年でほぼ倍増し、昨年12月末時点で約713万口座となった。金融庁では暗号資産について投資家保護が強化される金融商品取引法の対象とすべきかについての検討を進めており、ビットコインなどで運用する上場投資信託(ETF)の解禁につながる可能性もある。

  現在、ビットコインの先物はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されている。CMEのビットコイン先物価格に連動するETFが香港取引所で上場されているが、堂島取引所で先物取引が開始されれば、アジア地域の取引時間における主要な価格指標になり得ると関係者はみている。

  ビットコインを巡っては、トランプ米大統領が暗号資産業界を支持する姿勢を鮮明にする中、1月に史上最高値となる約10万9000ドルを付けた。2月末には売りが加速し、最高値から25%下落したが、3月2日にはトランプ大統領による暗号資産の戦略備蓄を進めるとの表明を受け、大きく上昇するなど価格変動が激しい。

  堂島取引所の起源は江戸時代の「堂島米市場」にさかのぼる。世界における先物取引の発祥の地とされる。

  現在、金と銀、白金(プラチナ)の貴金属のほか、トウモロコシや大豆といった農産物の先物商品などを上場。同取引所には暗号資産事業に力を入れているSBIホールディングスなどが出資している。

  次世代インターネット「Web3」推進派として知られ、大阪府・市が推進する国際金融都市構想を支持しているSBIの北尾吉孝会長兼社長は、堂島取引所での暗号資産先物の取り扱いをかねて主張してきた。

  SBI広報担当者は、北尾氏が従来発言してきたように堂島取引所で暗号資産先物の取り扱いが実現するのであれば喜ばしいとコメントした。

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