阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

日刊ゲンダイDIGITAL11/21(金)11:25

 これは波紋を呼びそうだ。

 巨人の6年目・山瀬慎之助(24)が19日に、17日の契約更改交渉で「保留」したことを明かした。さらに、出場機会についての回答に納得できなかったとし、チャンスを求めて他球団でのプレーを模索しながら、球団との話し合いを進めていることを報道陣に明かしたのだ。

 石川・星稜から2019年ドラフト5位で巨人に入団。今季は二軍の正捕手として自己最多の100試合に出場し、2年ぶりのイースタン・リーグ優勝に貢献した。強肩を駆使した守備面だけでなく、二軍戦では打率.302をマークするなど、昨年の・同219から大きな飛躍を見せたが、一軍出場はわずか1試合に終わっていた。

 今季、ソフトバンクから甲斐拓也(33)が5年15億円でFA加入。開幕から、スタメンマスクをかぶった。今秋の日本代表に選ばれた岸田行倫(29)、大城卓三(32)、小林誠司(36)らベテラン捕手がダブつくチーム編成だが、二軍戦で結果を残してきた自負がある山瀬はこう吐露している。

「カード終わりに毎回(一軍昇格の)電話を待って『今回もダメか、今回もダメか』というのを1年間続けた。すごくつらい1年。結果が出ないのはつらいけど、結果を出してチャンスをもらえないのが一番つらいと今年分かった。来年、再来年も同じなら、後悔するし、若い時間がすごくムダになっちゃう」

巨人の元バッテリーコーチは「当然」と擁護

 若手選手がここまでハッキリと公に不満を吐露するのは異例も異例だが、巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏がこう言う。

「ずっと言っていますが、甲斐のFA補強は必要だったのか。24年は岸田が台頭。今年の捕手陣は将来のことを考えて、岸田を中心に山瀬と併用する形がいいと思っていました。それなのに、FAで大枚をはたいただけに、開幕から甲斐の起用ありきになってしまい、若手の育成にフタをしてしまった。しかも、甲斐の契約はまだ4年も残っているのだから、若手選手はたまりません」

 秦氏が続ける。

「山瀬は球団ににらまれるのが分かっていて、よく勇気を出しましたね。トレード直訴をあえて報道陣に明かしたのだから、腹を決めているのでしょう。私は賛成です。今年のファームの成績で一軍で1試合しか出られないのであれば、プロとして試合に出られるチームへの移籍を直訴するのは当然です。トレードや現役ドラフトがダメなら、自由契約にしてもらったっていい。鉄砲肩は球界トップクラスだし、打撃も劇的に向上している。引き取り手はあるでしょう。それにしても、巨人の次世代の正捕手候補が『出してくれ』と言う。他の若手が続く可能性もあるし、補強に頼るチームの根底を揺るがす緊急事態です」

 野球人生の今後を考え、覚悟を決めた山瀬。次回の契約更改交渉は27日の予定だ。

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