トランプ氏、日鉄のUSスチール買収承認の意向 「計画的提携」の効果期待

トランプ米大統領は23日、米鉄鋼大手USスチールと日本製鉄が「計画的提携」の締結で合意したと発表した。(2025年 ロイター/Nathan Howard)

[ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、日本製鉄(5401.T), opens new tabによる米鉄鋼大手USスチール(X.N), opens new tab買収提案を承認する意向を示した。両社の「計画的パートナーシップ(提携)」が雇用を創出し、米国経済に貢献すると述べた。

トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「これはUSスチールと日鉄の計画的パートナーシップであり、少なくとも7万人の雇用を創出し、米国に140億ドルの経済効果をもたらすことになる」と述べた。

ロイターは今週、トランプ政権が同買収を承認した場合、日鉄がUSスチールの事業に140億ドルの投資を計画していると報じていた。

トランプ氏は、この投資の大部分は今後14カ月の間に行われると述べた。30日にはペンシルベニア州ピッツバーグにあるUSスチールで大規模な集会を開くとした。

USスチールは米国にとどまり、これまで通りピッツバーグを拠点とする見通し。

同社は声明を出し、トランプ大統領のリーダーシップを称賛した。「USスチールは米企業であり続け、巨額の投資や新しい技術、多くの雇用をもたらす日鉄とのパートナーシップを通じて、より大きく、より強く成長する」とコメントした。

日鉄は「パートナーシップを承認した大統領の英断に心より敬意を表する」との声明を発表した。 もっと見る

トランプ氏の投稿は買収承認と市場に受け止められ、23日の米株式市場でUSスチールの株価は21%急騰した。引け後の時間外取引でも上昇を続け、株価は54ドルと、買収価格の55ドルに迫った。

ペンシルベニア州選出の上院議員デーブ・マコーミック氏も日鉄とUSスチールの「パートナーシップ」との表現を使い、「米国とUSスチールにとって大きな勝利」になったと述べた。州内の1万1000人以上の雇用を守り、追加で1万4000人以上の雇用創出に資すると述べた。

日鉄による買収に反対してきた全米鉄鋼労働組合は22日もトランプ大統領に対し、買収を阻止するよう要請していた。 もっと見る

24日付の日経新聞電子版はホワイトハウス関係者の話として、トランプ米大統領は23日、日鉄によるUSスチールの買収を承認したと報じていた。

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