日鉄のUSスチール買収、「黄金株」が米政府の合意条件=米上院議員
米政府はUSスチールの黄金株を持つことで、生産の削減など重要事項の決定に対して拒否権を発動できる。USスチールが本社を構えるペンシルバニア州選出のデイブ・マコーミック上院議員によると、合意条件にはUSスチールのトップが米国人であること、取締役会の過半数を米国人が占めることが含まれる。
マコーミック議員はCNBCのインタビューで「米国人最高経営責任者(CEO)、米国人が過半数を占める取締役会、そして黄金株が設けられる。基本的に、複数の取締役会メンバーについて米政府の承認が必要となり、それによって米国の生産レベルが削減されないことなどを確保できるようになる」と述べた。
マコーミック議員が、対米外国投資委員会(CFIUS)に対して両社が行った事前の誓約を超える新たな取引内容を発表したのかどうかは現時点では不明。
日鉄は、2024年9月にCFIUSに提出したNSAタームシートで、USスチールの取締役の過半数を米国人とし、そのうち「独立米国取締役」と呼ばれる3人はCFIUSの承認を得ることとしている。また、独立米国取締役の過半数によって承認された場合に限り、生産能力を削減できるとも記載されている。
日鉄はコメントを拒否した。USスチールとホワイトハウスからのコメントは得られなかった。
これとは別に、日鉄のUSスチール買収価格が1株55ドルのまま変更ないことが分かった。事情を知る関係者3人が明らかにした。
この取引が間もなく完了するとの期待感から、27日の米株式市場でUSスチールの株価は一時2%高の53ドルとなり、買収提案発表以来の最高値を記録した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
Kantaro writes about everything from Japan's economic indicators to North Korea's missiles to global regulation on AI companies. His previous stories have been published in the Associated Press, Bloomberg, the Japan Times and Rest of World. A Tokyo native, Kantaro graduated from DePauw University in the United States and was the recipient of the Overseas Press Club Foundation 2020 Scholar Award.