米国株式市場=ダウ最高値更新、FRB議長の利下げ示唆を好感
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米国株式市場は反発して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを示唆したことを受け、ダウ工業株30種は過去最高値を更新して引けた。
パウエル議長は米ワイオミング州で開かれている年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに着手する可能性を示唆した。 もっと見る
デヴェア・グループの最高経営責任者(CEO)、ナイジェル・グリーン氏は「パウエル議長はジャクソンホールで中央銀行が最も得意とすることをやった。つまり、扉を開いたままにしておいたのだ」と指摘。「9月に利下げすれば、家計や企業は安心するだろう。延期すれば、よりハードランディングになる可能性が高まるだけだ」と述べた。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、パウエル議長の発言を受けて9月の利下げ観測が強まった。市場が織り込む9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は約90%。発言前の約75%から上昇した。
S&P総合500種(.SPX), opens new tabの主要11セクターでは10セクターが上昇した。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)(.SOX), opens new tabは2.7%急騰。ほとんどの大型成長株も上昇した。
米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabが6.2%高となり、上昇を主導した。
今週は大型ハイテク株の広範な売りが米国株を圧迫していたが、S&P総合500種はこの日は反発した。米国株は、トランプ大統領による追加関税発表で市場が動揺した4月の安値から急反発し、最近は過去最高値を更新しつつある。
一部懸念は残るものの、堅調な業績、貿易協定を巡る楽観論、利下げ期待の高まりなどが株価上昇の主な要因となっている。
その他の主要銘柄では、半導体大手インテル(INTC.O), opens new tabが5.5%高。トランプ米大統領は22日、インテルとのディール(取引)に基づき、政府が同社の株式10%を取得すると明らかにした。 もっと見る
コインベース (COIN.O), opens new tabも6.5%高と急騰。パウエル議長の演説後、仮想通貨関連株に買いが集まった。
一方、税務・会計ソフトウエアを手がける米インテュイット(INTU.O), opens new tabは約5%下落。第1・四半期の業績がアナリストの予想を下回った。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を9.43対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は179億3000万株。直近20営業日の平均は170億8000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場
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