マイクロソフト株躍進、メタ株苦戦の理由──AI投資でビッグテックに明暗(Forbes JAPAN)
マイクロソフトとメタは米国時間2026年7月29日、わずか数分違いで最新の決算を発表したが、翌30日の市場の反応は正反対に振れた。マイクロソフトの株価は約15.5%上昇したのに対し、メタの株価は約8%下落した。分かれ目は、マイクロソフトが自社のAIインフラに対する外部からの需要を数字で示せた点にあり、メタがなお構想段階の計画に頼っている点にあった。 ■AI支出に外部の支払い顧客がいるかどうかが両社を分けた 両社の決算報告はいずれも売上高の増加を示していた。しかし、マイクロソフトは利益、フリーキャッシュフロー、見通し、そして最も重要なビジネスモデルにおいてメタを凌駕した。 マイクロソフトは好調なAIクラウド事業を擁している。これに対し、メタは同様の事業の立ち上げを目指している段階であり、実際に動かしているのはバーチャルリアリティ(VR)事業だ。CNBCによれば、このVR事業は第2四半期に46億ドル(約7222億円。1ドル=157円換算)の営業損失を出し、売上高は4億3100万ドル(約677億円)にとどまった。 アナリストは、マイクロソフト株にはさらなる上昇余地があると見ている。コンセンサスの12カ月目標株価に基づけば42%の上昇が見込まれるのに対し、メタは35%だ。7月29日の決算内容も、マイクロソフトに分があることを示していた。同社のクラウド基盤Azureはこの四半期に43%成長し、伸びはさらに加速すると見込まれている。 メタにもAIクラウド事業の計画はある。ただし、2027年の設備投資の見通し(ガイダンス)の提示を控えた。これは、その予測が投資家をどれほど動揺させるかを懸念したためだと筆者は考えている。
■マイクロソフト、Azureの成長と受注残高で予想を上回る 直近の四半期において、マイクロソフトはメタを上回る業績を収めた。売上高を伸ばし、利益の市場予想を上回り、予想以上の成長とキャッシュフローを見込んだ。 マイクロソフトのリリースによると、2026年6月期第4四半期は、前年同期比18%増の売上高900億ドル(約14.13兆円)で終えた。調整後1株当たり利益(EPS)は4.74ドルとコンセンサスを50セント上回った。Azureは43%の成長を記録して年間売上高が1000億ドル(約16兆円)を突破、受注残は84%増の6780億ドル(約106.45兆円)に達し、フリーキャッシュフローは23%減ったものの196億ドル(約3.08兆円)を確保した。 ●次の四半期もAzure45%成長を見込み、設備投資は続く 当四半期のガイダンスは市場予想を上回った。CNBCの報道によると、最高財務責任者(CFO)のエイミー・フッドは、2027年6月期第1四半期(Q1)の売上高予測についてレンジ形式の予測を提示した。その中間値である904億ドル(約14.19兆円)は市場予想を7億4000万ドル(約1162億円)上回水準を示した。Q1のAzureの成長目標である45%はコンセンサスを4ポイント上回る。 マイクロソフトは会計上の前提を変更することで、2026年(暦年)の設備投資額(Capex)を8%減の1750億ドル(約27.48兆円)に引き下げた。CNBCによると、次四半期の設備投資額は500億ドル(約7.85兆円)を上回る水準を維持し、フッドCFOは2027年6月期もフリーキャッシュフローの黒字を維持する見通しだと述べた。 ■メタは28%増収、しかし総費用が55%膨らみ利益率が下がった メタは売上高で市場予想を上回ったものの、その他の分野では及ばなかった。CNBCによると、具体的にはメタの売上高は28%増の608億ドル(約9.55兆円)となったが、1株当たり利益は6.18ドルと市場予想を1.02ドル下回り、営業利益率は12ポイント低下して31%となった。フリーキャッシュフローは81%減の7億8400万ドル(約1231億円)に落ち込んだ。 ●第3四半期の売上見通しは市場予想を下回り、総費用は増える メタはガイダンスでも失望を誘った。フェイスブックの親会社である同社は、第3四半期の売上高を610億〜640億ドル(約9.58〜10.48兆円)と見込む。中央値は625億ドル(約9.81兆円)で、市場予想の631億5000万ドル(約9.91兆円)を6億5000万ドル(約1021億円)下回る。 2026年の通期のの総費用は、下限を30億ドル(約4710億円)引き上げて1650億〜1690億ドル(約25.9〜26.53兆円)とした。 設備投資も下限を1250億ドル(約19.63兆円)から1300億ドル(約20.41兆円)へ切り上げ、1300億〜1450億ドル(約20.41〜22.77兆億円)と見込む。同社のリリースによると、CFOのスーザン・リは2027年の設備投資額について具体的な数値を明かすことを拒んだ。