米1月雇用者14.3万人増、予想下回る 失業率4%で5月以来の低水準

米労働省が7日発表した2025年1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万3000人増加と、エコノミスト予想の17万人増を下回った。写真は2022年9月、マサチューセッツ州サマービルで撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万3000人増と、前月から伸びが鈍化し、市場予想の17万人増も下回った。しかし、失業率は4.0%と昨年5月以来の低水準にあり、米連邦準備理事会(FRB)は少なくとも6月までは利下げを延期できる可能性が高い。

LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「熱すぎず冷たすぎない適温の内容と言えるかもしれない」とし、「4%の失業率は非常に低いと見なされ、FRBが短期的に金利を据え置く根拠となる」と述べた。

2024年12月の非農業部門雇用者数は30万7000人増に上方改定され、約2年ぶりの伸びとなった。当初発表は25万6000人増だった。

雇用者数は11月も堅調に増加していたことから、その反動で1月の雇用者の伸びが鈍化した可能性がある。

カリフォルニア州の山火事や国内各地の寒波による「目立った影響はなかった」という。

ただ家計調査では、天候が原因で出社できなかったという回答は57万3000人に上り、1月としては11年以降で最多となった。

A column chart titled "Monthly change in US jobs" that tracks the metric over the past year. Employers added 143,000 jobs in January

業種別では、レストランやバーなどの飲食業が1万5700人減少した。

病院や介護・居住型介護施設、在宅医療サービスなどの医療関連が4万4000人増と、1月の雇用増の大部分を占めた。小売も3万4000人増加した。

政府は3万2000人増。ただ、米新政権が連邦政府職員の削減に動いていることから、この勢いは大きく鈍化する公算が大きい。

社会扶助は2万2000人増。建設や製造、レジャー・接客などはほぼ変わらずだった。

雇用者数が増加した業種の割合は55.0%と、12月の57.2%から低下した。一部のエコノミストによると、創出された雇用の大半は低賃金の業種が占めるという。

Line graph showing monthly and three month average job gains.

時間当たり平均賃金は前月比0.5%上昇と、昨年8月以来の伸びとなった。前年比では4.1%上昇。12月は前月比0.3%、前年比4.1%上昇していた。

平均週労働時間は34.1時間。12月は34.2時間だった。

労働力人口は210万人、家計調査に基づく雇用者数は200万人、それぞれ増加した。

LIne chart showing average growth in U.S. hourly earnings.

また、合わせて発表された年次基準改定では、昨年3月までの12カ月間の雇用者数が59万8000人下方改定された。

ホワイトハウスは「トランプ大統領の成長促進策の必要性が明示された」とコメントした。

トランプ米大統領の政策を巡っては、移民取り締まり強化と広範な関税措置が、今後数カ月で労働市場および経済を大きく抑制する可能性があるという懸念が出ている。

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