英王室アンドリュー氏は「ジュフリー氏と写真撮った」、エプスティーン元被告のメールに記述
画像提供, US Department of Justice via Press Association
マウントバッテン・ウィンザー氏はこれまで、ジュフリー氏と会ったことはないとし、同氏に腕を回している写真は偽造された可能性があると主張してきた。2019年のBBCのインタビューでは、「あの写真が加工されたものかどうかは誰も証明できないが、あの写真が撮影された記憶がまったくない」と述べている。
しかし、今回公開されたエプスティーン元被告のメールには、「そうだ、彼女(ジュフリー氏)は私の飛行機に乗っていたし、彼女はアンドリューと写真に納まった」と書かれている。写真は元被告の撮影とされている。
このメールは2011年7月、元被告の広報担当だったペギー・シーガル氏に送られたもの。12日に米下院議員らが公開した、元被告の遺品の中にあった2万ページ超の文書と共に公開された。
メールが送られたタイミングは、英日曜紙メイル・オン・サンデーが、ジュフリー氏の存在について報じた直後だった。このときの記事には、同氏とマウントバッテン・ウィンザー氏、ギレイン・マックスウェル受刑者の3人が一緒に写った写真も掲載された。マックスウェル受刑者はエプスティーン元被告の交際相手で、2022年に人身売買罪などで禁錮20年の刑が言い渡され、現在服役中。
エプスティーン元被告の告発者として有名になったジュフリー氏は、10代のときにマウントバッテン・ウィンザー氏の性行為を3回、強制されたと話していた。
12日に公開された文書からは、マウントバッテン・ウィンザー氏が、エプスティーン元被告との関係は終わったと主張した時期から4カ月たっても、元被告と連絡を取っていたこともうかがえる。
文書によると、マックスウェル受刑者は2011年3月4日、メイル・オン・サンデーが反論の機会を与える目的で送ってきた電子メールを、エプスティーン元被告に転送したとみられる。メールには、マウントバッテン・ウィンザー氏が2001年にマックスウェル受刑者のロンドンの自宅で若い女性とセックスしたなどとする、数々の疑惑が列挙されていた。
エプスティーン元被告はこのメールを、マウントバッテン・ウィンザー氏に転送したとみられる。転送先のアドレスには「デューク(公爵)」という表記が付されている。
これに対しマウントバッテン・ウィンザー氏は、「すべての声明や法的な文書に、私は無関係であり、これらの疑惑について過去も現在も何も知らないと、どうか明記してほしい。これ以上、私はもう耐えられない」と返事をしている。
このやりとりの後、メイル・オン・サンデーは、アンドリュー王子とヴァージニア・ジュフリー氏が共に写っている写真を含む記事を掲載した。
記事には、エプスティーン元被告の米ニューヨークの家で、少女たちがマウントバッテン・ウィンザー氏のひざの上に座るよう指示され、同氏が彼女たちの体を触ったという疑惑や、同氏が元被告のプライベート島で性的な経験をしたとの疑惑などが含まれていた。
今回公開された文書では、ジュフリー氏の証言を信用性を失わせようと、エプスティーン元被告が画策していたことも明らかになった。
元被告は2011年7月に自らの広報担当に宛てたメールで、「アンドリュー王子(当時)を告発するあの少女は、簡単にうそつきにできる。バッキンガム宮殿は喜ぶと思う」と書いている。
また、「ヴァージニア・ロバーツ(ジュフリー氏の旧姓)という少女を調査するよう、誰かに命じるべきだ。彼女は女王の息子をひどく怒らせている」とも書いている。
今回の文書公開に先立ち、米民主党議員らはマウントバッテン・ウィンザー氏に対し、エプスティーン元被告に関する調査の一環として、質問に答えるよう求めている。元被告は性的人身売買罪の裁判を待っていた2019年に拘置所で死亡した。
下院監視委員会のスハス・スブラマニャム下院議員(民主党)は、BBCの番組「ニューズナイト」に、マウントバッテン・ウィンザー氏がまだ委員会からの証言依頼に応答していないと述べた。
同議員はまた、マウントバッテン・ウィンザー氏は「証言のために飛行機に乗る必要はない。リモートで済ませることができる」とした。
マウントバッテン・ウィンザー氏は先月、ジュフリー氏の死後に発刊された回顧録によって、エプスティーン元被告やマックスウェル受刑者との関係が再び注目されたあと、「王子」の称号を含むすべての肩書きを剥奪された。