制作費は月約2万5000円「AI都知事ユリコ」が誕生 小池都知事「ちょっとかわいすぎるかな」
4月21日、東京都の公式SNSにある動画が投稿されました。タイトルは「AI都知事ユリコ、誕生」。縦型のショート動画で、小池知事に似たイラストが小池知事の声で「AIで生成されました」と説明し、さらには多言語で挨拶する場面も。 【画像】「核のごみ」最終処分場選定めぐり 小池知事「国が責任持って対応を」 続いて公開されたのは「AI都知事ユリコ」が夏の暑さに向けた都の取り組みを紹介する40秒ほどの動画です。これらの動画は都が運営するYouTubeチャンネル、インスタグラム、Xなどに投稿されました。
24日、東京都庁で開かれた定例会見で、AI都知事ユリコについて問われた小池知事は「問題は…ちょっとかわいすぎるかな?」とうっすら笑みを浮かべ感想を述べました。
小池知事が強調したのはこの動画にかかる「制作費」です。その金額は月々149米ドル、日本円に換算して約2万5000円だと明らかにしました。続けて「AIをご存知ない方は『どんなにお金かけてんねん』と思ってらっしゃるかもしれませんが、いま本当にみんなできるようなアプリがあってすごいですね」と述べました。 この発言の背景には、SNS上で、AI都知事ユリコに対し、「金の無駄」「都民の税金の無駄」などと税金の使い道に関するコメントが多数寄せられていることもあり、知事自ら制作費を明かしたと思われます。 都の職員によりますと、日本、中国、アメリカのAI動画生成サービスの性能や利用料金を比較した結果、アメリカのメーカーに決定、この利用料金が月々149ドルだといいます。
「AI都知事ユリコは知事の代わりではない」 現在、職員2~3人が他の業務と兼務しながら制作しているというAI都知事ユリコ。職員がシナリオを考案、AIが作成した「ユリコ」の動きやセリフの表現が適切かどうか職員が最終チェックするといいます。 小池知事の「ちょっとかわいすぎる」という思いと同様、記者も「知事に似ているような似ていないような…」と違和感を持ち、イラスト調の小池知事となった理由を都職員に聞きました。 都職員は「AI都知事ユリコは知事の代わりではない」「スポークスマン(代弁者)ではない」と説明。 2024年の東京都知事選では、3選を目指し出馬した小池知事の政治活動専用のSNSに、突如、生成AIを用いた「AIゆりこ」が登場し話題となりました。この「AIゆりこ」について当時、小池知事は「公務を優先することでなかなか(選挙活動に)時間が取れませんので(これまでの)実績などは特にAIゆりこから発信をしていただく」と発言。AIゆりこは「知事の代わり」に情報発信を行っていました。 一方、今回のAI都知事ユリコは“代わり”ではなく、知名度と発信力のある小池知事に“似せたイラスト”であり、都政を伝える様々なツールのひとつであり、ひとつのキャラクターだということです。 小池知事と“そっくり”にしなかった理由について、都の担当者は「リアルすぎると不気味だと感じて受けつけない人がいる」とするほか、人間に近いよりリアルな姿にするために100%AIで生成した場合、その著作権はメーカーに帰属してしまい、都は権利を持てないといいます。このため、知事の写真をもとにAIが生成したイラストに職員が手を加え調整したものがイラスト調の「AI都知事ユリコ」として誕生しました。 また、制作過程で特に力を入れたというのが「声のトーン」。知事の既存の声を収集し“やわらかくて明るい声”にすることで、わかりすく情報発信できるよう心がけ、今後、テーマに合わせた声のトーンにしていく計画だといいます。 都の担当者は、AIが安価で誰もが簡単に使える身近な存在になったとして「都職員がAIを活用することで行政の業務が効率化され、都民への還元につながる」と話し、今後もAIのノウハウを蓄積し様々な場面で活用していきたいとしてます。
都は今年2月、「都星人(とせいじん)」というAI広報アバターの誕生も発表しています。ポケモンのキャラクターを手がけたことでも知られるデザイナーのにしだあつこ氏がアバターをデザインし、AIを使ってアバター同士が会話する映像を制作。 小池知事は「AIは世の中を変える。仕事の内容を変える。時には仕事を奪う。こういった意味ではほとんど大化の改新級だと思います」と述べ、都政でのAIの活用に期待を込めました。