トランプ氏に拉致解決要請のトクダ議員インタビュー要旨 「全員帰国まで解決しない」
【ワシントン=坂本一之】米連邦議会の共和、民主両党の議員17人がトランプ大統領(共和党)に対し、北朝鮮による日本人拉致被害者の「帰還」に向けた政策を優先するよう求める書簡を送っていたことが分かった。中心となって書簡をまとめたジル・トクダ米下院議員(ハワイ州選出)が産経新聞の電話インタビューに応じ、「全員が帰国するまでこの問題は解決しない」などと語った。
主なやり取りは以下の通り。
「日本の悲しみはわれわれの悲しみ」
――書簡の取りまとめをなぜ主導したのか
「私自身も親として、行方不明となった子供を何十年たった今も抱きしめたい、何が起きたのか知りたいと願う家族の悲しみや苦痛は想像できないほどだ。書簡は拉致問題の解明に向けた取り組みだ」
――日本人が被害者である拉致問題を米議員が支援する理由は
「日本は米国の最も近い同盟国であり、日本の悲しみはわれわれの悲しみでもある。特に私のような日系4世にとって過去の悲劇の解決を呼びかけることは重要だ」
「日本に対し、米国の友情と同盟が経済や防衛を超えたものであることを示すことが大切だ。米国は道義的、法的責任を負い、この困難な時期に日本を支え、解決を求めることが必要だ」
――共和、民主両党議員が書簡に参加した。拉致は党派を超えた問題か
「拉致は人道的問題であり、間違いなく党派に関わらない問題だ。世界中で人権が尊重されることを確保し、日本から拉致された人々、また他の国で拉致された人々への正義を追求する課題だ」
「あらゆる接触や対話で拉致問題を」
――トランプ氏にどのような対応を期待するか
「謹んで、北朝鮮とのいかなる接触においても拉致問題を取り上げることを願いたい。被害者家族には時間が迫っている。北朝鮮は、拉致問題が解決済みだと考えているかもしれないが、17人の被害者の行方が明確になり全員が帰国するまでこの問題は解決しない。トランプ氏らは北朝鮮とのあらゆる接触や対話で拉致問題を北朝鮮側に認識させる必要がある」
「トランプ氏の全面的な協力と支援を求め、この問題が忘れ去られることなく、北朝鮮とのあらゆる接触において拉致問題が取り上げられるよう取り組むことが重要だ」