即完売の防犯カメラ、パナソニック「VL-CV100K」の実力を試してみた
▲日付などの初期設定を終えると、すぐに利用可能に
カメラ部とモニター部の接続はWi-Fi(2.4GHz)を利用していますが、家庭内のルータ経由ではなくアクセスポイントモードで直接通信する仕様。使用可能距離は、障害物無しでスペック上は約100m。テストした際にも木造戸建ての外壁越し、かつ約12mの距離でもつながりました。なお、万が一Wi-Fiの電波が届かない場合は純正オプションの中継機を最大2台追加可能です。
防犯カメラなので、当然ですが録画対応。モニター部に最大128GBのmicroSDカード(別売)をセットする仕様で、カメラを盗まれても録画データは残ります。ちなみにモニター部に有線LAN端子があり、ルーターに接続すればスマホアプリからもアクセス可能になります。
▲モニター部にmicroSDカードをセット
パナソニック「VL-CV100K」で個人的に最も気になっていたのが「8型の専用モニターってどうなの!?」という点です。
操作はタッチパネルで、UIはタッチ前提で作られていて、フリック対応。カメラのライブ映像表示までのレスポンスは約10秒とまずまず。操作感はほとんどスマホアプリのよう。画面上の“動作検知”をタップして有効にすると人物検出が常時行われるという操作感は、直感的で扱いやすく操作レスポンスも良好です。
▲モニター部はタッチパネル操作。よく出来たUI
ちなみにモニター部は450gと見た目より軽く、普段は写真立て風に置いておき、操作する時は手に取る、といった使い方をすると、ほとんどタブレット感覚です(ただし、バッテリー内蔵ではないのでコンセントは繋いだまま)。
■画質は普通、でも検知精度はバツグン
では気になる防犯カメラとしての画質をチェックしてみましょう。
カメラのスペックは最大でフルHD(1920×1080)で、レンズの視野角は水平約100°と一般的な水準。以下の画像は実際の録画データからの切り出したものです。
▲日中の録画画質。人検知オンの状態で録画
画質でまず言えるとするなら、フルHDとしてもさほど高画質ではない、ということです。電波状態が良くても接続時のビットレートが100kbpsを切るほどしかなく、静止画として見ても破綻するかどうかのギリギリ。ただし、防犯カメラとしては十分機能します。
▲夜間のナイトモード録画画質。人検知オンの状態で録画
▲夜間でカラー録画された場合の画質
夜間撮影時は、カラー撮影と赤外線ナイトビジョンに対応し、照度による自動切り替えに対応。僕の自宅では庭に向けたセンサーライトがある関係で夜間も照度が変化しますが、録画状態のままでも切り替わりました。
カメラ画質としては特段褒めるところはないのですが、感心したのはむしろ録画の元になる検出精度や録画データを再生する操作性です。
録画の仕様は動作検知による録画のみ(初期設定では録画はオフ)ですが、この動作検知の反応が非常に良く、録画漏れの心配はなさそうです。むしろ検出頻度が高すぎて庭木が風で揺れても録画してしまいますが、これは不審者対策としては許容すべきところ。ちなみに、検出エリアを狭めたり、感度を下げたりといったカスタマイズは可能です。さらに、その上で人検知も働くため、検知の精度は優秀でした。
▲動作検知が多すぎる場合には検知エリアをカスタマイズ
▲カメラの範囲内に人が入るとマークが付く
カメラが動作検知した際の録画データは、日付での選択も可能なシンプルなタイムラインで表示されます。タブレット風のタッチ操作を最大限活かしたUIで操作感が良く、検出履歴からジャンプすれば人検知データのみへのアクセスも簡単。
▲直感的に操作できるタイムライン風の録画ビデオ
▲検知によるイベントから再生も可能
録画時間に関わるストレージの使用量は検出頻度次第ですが、1日あたり120~200件ほどの動作検知録画で1~1.5GB程度。今回は64GBのmicroSDカードで検証したので1ヶ月以上は録画データが残る計算になります。
また、モニター部を家庭内に置いておけば、人検知をした時のみビープ音を鳴らす設定も可能。普段過ごす部屋に置いておけば、来客がインターホンを鳴らす前に気付けるというメリットもあります。ちなみに防犯観点では、カメラ側で音を鳴らす設定も可能です。
そして、モニター部を有線LANでルーター等に接続すれば、“いえモニ”アプリからもアクセス可能になります。
▲スマホアプリ“いえモニ”からもカメラにアクセス可能
録画リストのタイムライン表示や検知履歴機能があるなど、機能は揃っています。ただし、ライブビューのUIがシンプル過ぎて直感的ではない点は残念。家の外からでも自宅の防犯カメラにアクセスできるのはスマホアプリならではなので、必要に応じて活用してほしいポイントです。
* * *
パナソニック「VL-CV100K」を使って感じたのは、やはり「国内メーカーならではの安心感と完成度の高さ」です。
価格は5万円台と、Wi-Fi防犯カメラと比べると高めではありますが、検知精度の高さと人物認識の精度、モニターに操作による録画リストの見やすさはパーフェクト。
▲夜間の赤外線センサーは防犯効果もありそう
最初は「スマホアプリの方が便利なのでは?」と思っていましたが、使っていくうちに「むしろモニターがあるからこそ便利」と思い始めたほどです。家の中ではモニターですぐに確認し、外出先ではスマホアプリでアクセス。この組み合わせができるところが「VL-CV100K」の強み。
この出来の良さなら発売直後に即完売したのも納得です。現状、数ヶ月待ちになっているのは残念ではありますが、国産メーカーの防犯カメラを待っていた人には、安心してオススメできる一台ですね。
>> パナソニック「モニター付き屋外カメラ VL-CV100K」
<取材・文/折原一也 撮影協力/パナソニック>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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