ドル/円は不安定な動き継続か、多数の手掛かりに一喜一憂=来週の外為市場
12月6日、来週の外為市場でもドル/円は、多くの手掛かりに一喜一憂する不安定な動きとなりそうだ。写真は各国の紙幣。2016年1月撮影(2024年 ロイター/Jason Lee)
[東京 6日 ロイター] - 来週の外為市場でもドル/円は、多くの手掛かりに一喜一憂する不安定な動きとなりそうだ。米国では消費者物価指数(CPI)、日本では中村豊明日銀審議委員が注目データとして言及した日銀短観が発表予定で、欧州と豪では中銀会合が、中国では翌年の経済目標を策定する中央経済工作会議が行われる。
予想レンジはドルが148━152円、ユーロが1.04―1.07ドル。
市場では、日米の経済指標に大きな関心が寄せられている。今年最後の中銀会合が翌週に迫っているにもかかわらず、参加者の見方は依然定まっておらず、予想が収れんしてもしなくとも、値が振れやすい状況に変わりはない。直前報道が値動きのきっかけとなることもあり得るだけに、突発的な変動にも警戒が必要だ。
欧州中央銀行(ECB)理事会は0.25%の利下げ予想が優勢だが、現在はドイツに続いて発生したフランス政局不安の行方が、より大きな注目を集めている。極右や極左の台頭で反欧州連合(EU)の機運が再び高まれば、域内不安定化という「内輪揉めのユーロ売り」(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)圧力が強まる可能性もある。
非公開で行われる中国の中央経済工作会議は、成長率目標のみならず、同時に議論される経済対策が注目されている。しかし市場では「中国はしばらく米トランプ政権の出方をうかがうだろう」(外銀アナリスト)との見方が多く、対策の全容が明らかになるのは来年3月の全国人民代表大会(全人代)以降になるのではないか、との指摘が聞かれた。
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